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しきゅうけいがん

子宮頸がん

最終更新日
2020年07月23日
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2020/07/23
更新しました
2020/07/22
更新しました
2017/04/25
掲載しました。

概要

子宮頸がんとは、子宮の入り口である“子宮頸部”と呼ばれる部位に発生するがんのことです。20歳代後半頃から発症者が増え始め、30歳代後半でピークを迎えることが特徴で、がんの中では比較的若い世代に発症しやすいことが知られています。

早期段階で発見できれば、子宮頸部の一部を切除する治療を行うことで妊孕性(にんようせい)(将来的に妊娠できる可能性)をキープすることが可能です。しかし、進行してから発見されると子宮や卵巣を摘出しなければならなくなることも少なくなりません。

子宮の構造(提供:PIXTA)
子宮の構造(提供:PIXTA)

一方で、子宮頸がんは早期段階では自覚症状がほとんどないことも珍しくないため、20歳以上の女性は定期的に子宮頸がん検診を受けることが望まれています。日本は先進国で唯一、子宮頸がんの患者数が増加傾向にあるといわれています。

また、子宮頸がんの多くはヒトパピローマウイルス感染が原因で発症するとされています。そのため、2013年にはヒトパピローマウイルスに対するワクチン接種が定期化されましたが、副反応と考えられる症状が見られたことにより、積極的な接種を呼びかける取り組みなどは一時的に差し控えられているのが現状です。

原因

子宮頸がんの多くは、主に性行為によって子宮頸部にヒトパピローマウイルスが感染することによって発症することが分かっています。

しかし、このウイルスに感染すると高確率で子宮頸がんを発症するわけではありません。感染者の90%は免疫のはたらきによってウイルスが排除されますが、排除しきれずにウイルスが残り続けると子宮頸部に慢性的な炎症が加わって前がん病変(異形成)となり、そのうちの一部が最終的に子宮頸がんを発症すると考えられています。

異形成からがんになるまでには5〜10年ほどの年月がかかることが一般的です。なお異形成となっても、結果的にがんには至らないケースもあります。

また、子宮頸がんは喫煙習慣があると発症リスクが上昇するといわれていますが、直接的な原因となっているかどうかはまだ明らかではありません。

症状

子宮頸がんは早期段階で症状が現れることはほとんどありません。

進行してがんが大きくなると不正出血や性行為時の出血が見られるようになります。また、がんの病変部から流出した(うみ)などが混ざることで色やにおいに異常のあるおりものが見られることもあります。

そして、さらに進行すると子宮頸がんは子宮の周囲にある膀胱や大腸などを破壊しながら大きくなっていくため、お腹や腰の痛みが見られたり、便や尿に血が混ざったりするようになります。この段階まで進行すると、肺など子宮から遠い臓器に転移を引き起こすこともあり、治療の選択肢が限られてしまうこともあります。

検査・診断

子宮頸がんが疑われた場合、さまざまな検査が行われます。以下ではそれぞれの検査方法についてお伝えします。

内診・腟鏡診・直腸診

腟内に指を挿入して子宮頸部の状態を触診し、腟鏡で腟を拡げて子宮頸部を詳しく観察する検査です。婦人科分野の病気では基本となる検査であり、子宮頸がんは観察しやすい位置にあるため、腟鏡診を受ければ早期段階でも発見される可能性は高いと考えられます。

直腸診は、がんの側方(基靱帯)への進展の有無や程度を調べる触診法です。

細胞診

細胞診は子宮頸部をブラシや綿棒で擦って採取した細胞を顕微鏡で詳しく観察する検査のことであり、組織診は子宮頸部の一部の組織を採取して顕微鏡で詳しく調べる検査です。

細胞診はがん検診などでも行われており、子宮頸がんの有無を簡易的に判断することは可能です。ですが、がんの前段階の“異形成”と呼ばれる状態でも異常な細胞が見られるため、異常な細胞が見られたとしても必ずしもがんであるとは限りません。

細胞診の結果

細胞診の結果はクラス分類といって大きく分けてI・II・III・IV・Vの5段階に分類されます。

細胞診の結果(クラス分類)

検診でクラスIIIa以上の結果となった場合には、コルポスコープ下狙い撃ち組織診や画像検査、血液検査などの精密検査が実施されます。

組織診

組織診は、細胞診で異常が見られた際に精密検査として行うことが多く、子宮頸がんの確定診断をするための検査となっています。組織診ではコルポスコ―プと呼ばれる拡大鏡を使って子宮腟部を詳しく観察し、異常がみられた場合にはがんが疑われる部分の採取を行います。さらに、必要があれば子宮頸部を円錐状に切り取る“円錐切除術”を行い、切り取った組織を元に確定診断を行います。

組織診の結果

子宮頸がんの異形成は3段階に分けられ、CIN1、CIN2、CIN3の順に進行していくことが知られています。

  • CIN1……軽度の異形成を指し、90%は自然治癒するといわれています。精密検査はせず、次回の検診まで経過観察とします。
  • CIN2……中等度の異形成を指し、こちらも自然治癒する可能性があります。精密検査は行わず、定期的に検査を行い経過を見ることが多いです。
  • CIN3……高度の異形成を指し、この状態はがん化する確立が高くなると考えられています。あるいは、すでに上皮内がんが発生している可能性もあり、精密検査や手術が必要となります。

経腟超音波検査

腟から超音波の装置を挿入し、子宮内部や卵巣などの状態を簡易的に調べる検査です。内診の一環として行われることが一般的です。

子宮や卵巣の腫瘤(しゅりゅう)を観察することができ、子宮頸がんが疑われる場合は子宮や卵巣の状態を調べるために超音波検査を行うことが一般的です。

画像検査

組織診で子宮頸がんと診断された場合は、がんの広がりや転移の有無を詳しく調べるためにCTやMRI、PETなどの画像検査を行います。ただし、ごく初期の小さながんでは画像検査に映らない可能性が高く、画像検査を行わない場合もあります。

血液検査

子宮頸がんでは病変部からの慢性的な出血などが生じるため、貧血や炎症の有無など全身の状態を評価するために血液検査を行います。

また、診断の手がかりの1つとして、がんを発症すると体内で産生されるようになる“腫瘍マーカー”を調べます。

治療

子宮頸がんが早期段階で発見できれば、検査目的で行った“円錐切除術”によって病変を取り切ることができる可能性があるため、これが治療手段となりえる場合もあります。この方法では、お腹を切る必要もなく、子宮を残すことができるため治療後も妊娠を望むことが可能です。

一方、がんが進行した段階で発見された場合は、子宮またはその周辺組織や卵巣も含めて切除する手術治療が必要です。手術治療には子宮だけを切除する“単純子宮全摘術”、子宮だけでなく子宮を支えている基靱帯など深部子宮支帯や腟の一部を切除する“準広汎子宮全摘手術”、子宮、基靱帯など深部子宮支帯、腟の一部、骨盤リンパ節などさらに広い範囲を切除する“広汎子宮全摘出術”などがあり、ステージ(病期)ごとに選択されることが一般的です。子宮や場合によっては卵巣などを切除してしまうため、これらの治療を行う場合には治療後の妊娠ができなくなります。

そのため、現在では将来的な妊娠を希望するケースでは、治療前に卵子を採取して冷凍保存するなどといった“妊孕性温存治療”が行われることも増えています。ただし、これらの治療ができる医療機関は限られるほか、ステージや全身の状態によっては難しい場合があります。

また、さらにがんが進行している場合や、全身の状態が悪いなど手術が困難なケースでは、がんを縮小させるための放射線治療や抗がん剤治療・分子標的治療薬を用いた化学療法が行われます。

予防

子宮頸がんは主に性行為によってヒトパピローマウイルスに感染することによって引き起こされる病気です。

ヒトパピローマウイルスは、男女ともに性行為の機会があれば多くは感染する機会があるとされています。このため、感染を完全に予防するのは困難ですが、コンドームを使用したり、不特定多数との性行為を控えたりするなど、いわゆる“セーフティーセックス”を心がけることが大切です。

また、ヒトパピローマウイルスの感染を予防するワクチンが開発されており、世界的には性行為を経験する前の10歳前後で接種することが推奨されています。日本でも2013年から小学6年生~高校1年生相当の女子を対象に定期接種化されました。

しかし、全国で副反応とされるさまざまな症状が見られたため、定期化から2か月後に厚生労働省は“積極的に接種をすすめない”との見解を示しました。そのため、ワクチンの接種率は低い状態が続いています。一方で、全国で報告された副反応と考えられた症状がワクチンに関連するとの科学的な証拠はないとされているのが現状です。

厚生労働省では20歳以上の女性に2年に1回の子宮頸がん検診受診を推奨しています。

子宮頸がんはその他のがん同様、早期発見・治療が行えればそれだけ治療の選択肢も広がり、根治が期待できることがあります。そのため、特段気になる症状がない人は定期的な検診を受けることを心がけましょう。

なお、検診で異常を指摘された場合、また気になる症状がある場合には産婦人科の受診を検討しましょう。

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