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女性のがん検診とセルフチェックの重要性―がんが将来の妊娠に影響を与えることも

公開日 2017 年 07 月 29 日 | 更新日 2017 年 10 月 24 日

女性のがん検診とセルフチェックの重要性―がんが将来の妊娠に影響を与えることも
京野 廣一 先生

医療法人社団 レディースクリニック京野 理事長

京野 廣一 先生

目次

生涯で2人に1人は罹患するといわれている「がん」。がんは高齢者に多いもので、まだ自分には関係ないと思われている方も多いかもしれません。しかしながら、女性特有のがんである子宮頸がんや乳がんは、若い女性でも罹患する可能性があります。また、がんになると、がんの種類や治療法、ステージなどによっては将来妊娠が難しくなるケースもあります。

そこでがんの早期発見や早期治療の場合に役立つものが、定期的ながん検診とセルフチェックです。女性のがん検診の重要性とセルフチェックの方法について、京野アートクリニック 理事長 京野 廣一先生にお話をうかがいました。

がんの早期発見と治療には検診と生活習慣の改善が重要

若い女性が検診を受けているようす

がんは、その患者さんに心身ともに大きな影響を与えるものです。特に若年で発症した場合には仕事や家庭、また女性で妊娠を希望する場合には将来の妊娠に影響することもあります。後述する生活習慣の改善などでがんになりにくい体をつくることも大切ですが、生活習慣の改善と同時に大切だと思うのは定期的にがん検診を受診することです。

がんは若い女性にとって身近な病気ではないかもしれません。しかしながら、子宮頸がんは若年女性の罹患率が非常に高く、加えてすでにがんが進行した状態で見つかることが多いです。がんが進行していると子宮全摘出となってしまい、将来の妊娠が難しくなります。そのため、将来妊娠を希望する方は子宮頸がんの検診を受けることが望ましいでしょう。

検診を定期的に受診することは、がんの早期発見・治療のみならず、もしがんになった場合でも将来の妊孕性温存(妊娠するための力を残しておくこと)にもつながりますから、ぜひ若い女性には検診を受けていただきたいと考えています。

 

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日本女性のがん検診受診率は諸外国と比べても低い

国別がん検診 グラフ

20-69歳 女性の子宮頸がん検診受診割合(2013年)出典:OECD,OECD Health Data 2013,June 2013

国別 マンモグラフィー検査割合

50-69歳 女性のマンモグラフィー検診受診割合(2013年出典:OECD,OECD Health Data 2013,June2013

国別 がん検診グラフ

(出典:厚生労働省

上のグラフをみてもわかるように、日本はがん検診の受診率が40%程度と低い点が問題視されています。また、若年女性でも発症のリスクがある子宮頸がん検診や乳がんのマンモグラフィー検査の受診率は40%以下です。日本は他の先進国と比べても医療レベルの差はないにもかかわらず、がんによる死亡率が高い理由は、このがん検診受診率の低迷によるものだと考えられます。

特に妊娠を考える年齢である20〜30代に発症する若年性乳がんは、進行が早く、がんの悪性度も高いため、早期に発見し治療を開始しなければなりません。

しかし、乳がん検診など実際のがん検診の多くは40歳以上を対象としていることが多く、対象年齢以下の方が検診を希望する際は全額自己負担となります。そこで簡単にある程度自分の体の変化に気づく機会となる大切なものがセルフチェックです。ここでは、乳がんのセルフチェックについてお伝えします。

 

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乳がんのセルフチェックの方法

お風呂上がりなど、チェックを行いやすいときにセルフチェックをしてみましょう。特に生理後に行うことをおすすめします。

乳がんのできやすいところ(セルフチェック)

図のように乳房を4分割した際、乳房の上部を中心にしこりなどの違和感がないかを確かめます。乳がんの多くは上部の外側、上部の内側に発生するためです。

毎月、生理後にセルフチェックを行うことで、乳房の小さな変化に気づきやすくなります。定期的なセルフチェックで気になる点がみつかったら、医療機関を受診しましょう。乳がんは初期にみつかれば早期に治療を開始でき、将来妊娠できる可能性も高まります。

もし妊娠中にがんが見つかったら

まれに、妊娠中にがんが見つかる場合もあります。実際に、妊娠中にがんが見つかったケースはいくつもあります。その際にはまず、母体のがん治療が優先されます。妊娠が継続可能かどうかは、がんの種類や胎児の発育状況で変化します。

たとえば乳がんの場合、妊娠3か月までにがんが発見されれば、この時点でがん治療を行うと胎児の発育に影響を及ぼす可能性があるため妊娠の継続を諦めなければならないこともあります。妊娠4か月以降であれば、がん治療が胎児に与える影響が少なくなることから、妊娠を継続しつつ、抗がん剤を用いてがん治療を行うことも可能です。

がんの種類や治療法、ステージによっては治療後に妊娠することができる可能性があります。近年では特に生殖補助医療が発展し、がんの治療の前に卵子や卵巣、受精卵を凍結することで将来の妊娠の可能性を残しておくことも可能です。

がん患者さんの妊孕性温存については以下の記事をご覧ください。

記事1『がん治療が妊娠・出産に与える影響―女性の妊孕性(妊娠する能力)温存とは?』

記事2『がんでも妊娠・出産を可能に―卵子凍結と卵巣組織凍結の違いや適応、画像でみる凍結の流れ』

記事3『卵子凍結・卵巣組織凍結の妊娠率や安全性、費用について』

がんになったらもう妊娠できない、妊娠を継続することはできないということはありません。ですから、万が一妊娠中、または妊娠を希望しているときにがんがみつかっても、悲観的にならずに主治医や専門の機関に相談してみてください。

 

 

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