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女性のがん検診とセルフチェックの重要性

女性のがん検診とセルフチェックの重要性
メディカルノート編集部 [医師監修]

メディカルノート編集部 [医師監修]

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生涯で2人に1人は罹患するといわれている“がん”。がんは高齢の方に多いもので、まだ自分には関係ないと思われている方も多いかもしれません。しかしながら、女性特有のがんである子宮頸(しきゅうけい)がんや乳がんは、若い女性でも罹患する可能性があります。また、がんになると、がんの種類や治療法、ステージなどによっては将来妊娠が難しくなるケースもあります。

そこでがんの早期発見や早期治療の場合に役立つものが、定期的ながん検診とセルフチェックです。女性のがん検診の重要性とセルフチェックの方法について解説します。

がんは、心身ともにその患者さんに大きな影響を与えるものです。特に若年で発症した場合には仕事や家庭、また女性で妊娠を希望する場合には将来の妊娠に影響することもあります。後述する生活習慣の改善などでがんになりにくい体をつくることも大切ですが、生活習慣の改善と同時に大切だと思うのは定期的にがん検診を受診することです。

写真:PIXTA

がんは若い女性にとって身近な病気ではないかもしれません。しかしながら、子宮頸がんは若年女性の罹患率が非常に高く、加えてすでにがんが進行した状態で見つかることが多いとされています。がんが進行していると子宮全摘出となってしまい、将来の妊娠が望めなくなります。そのため、将来妊娠を希望する方は子宮頸がんの検診を受けることが望ましいでしょう。

検診を定期的に受診することは、がんの早期発見・治療のみならず、もしがんになった場合でも将来の妊孕性(にんようせい)温存(妊娠するための力を残しておくこと)にもつながりますから、ぜひ若い女性には検診を受けていただきたいと考えています。

日本のがん検診の受診率

国別がん検診 グラフ
出典:厚生労働省ホームページ (https://www.gankenshin50.mhlw.go.jp/campaign_27/outline/low.html)

20-69歳 女性の子宮頸がん検診受診割合(2013年)

国別 マンモグラフィー検査割合
出典:厚生労働省ホームページ (https://www.gankenshin50.mhlw.go.jp/campaign_27/outline/low.html)

50-69歳 女性のマンモグラフィー検診受診割合(2013年)

国別 がん検診グラフ
出典:厚生労働省ホームページ (https://www.gankenshin50.mhlw.go.jp/campaign_27/outline/low.html)

上のグラフを見ても分かるように、日本はがん検診の受診率が40%程度と低い点が問題視されています。また、若年女性でも発症のリスクがある子宮頸がん検診や乳がんマンモグラフィー検査の受診率は40%以下です。日本は他の先進国と比べても医療レベルの差はないにもかかわらず、がんによる死亡率が高い理由は、このがん検診受診率の低迷によるものだと考えられます。

特に妊娠を考える年齢である20〜30歳代に発症する若年性乳がんは、進行が速く、がんの悪性度も高いため、早期に発見し治療を開始しなければなりません。

しかし、乳がん検診など実際のがん検診の多くは40歳以上を対象としていることが多く、対象年齢以下の方が検診を希望する際は全額自己負担となります。そこで簡単にある程度自分の体の変化に気付く機会となる大切なものがセルフチェックです。ここでは、乳がんのセルフチェックについてお伝えします。

お風呂上がりなど、チェックを行いやすいときにセルフチェックをしてみましょう。特に生理後に行うことをおすすめします。

図のように乳房を5分割した際、乳房の上部を中心にしこりなどの違和感がないかを確かめます。それは、乳がんの多くは上部の外側、上部の内側に発生するためです。

毎月、生理後にセルフチェックを行うことで、乳房の小さな変化に気付きやすくなります。定期的なセルフチェックで気になる点が見つかったら、医療機関を受診しましょう。乳がんは初期に見つかれば早期に治療を開始でき、将来妊娠できる可能性も高まります。

まれに、妊娠中にがんが見つかる場合もあります。実際に、妊娠中にがんが見つかったケースはいくつもあります。その際にはまず、母体のがん治療が優先されます。妊娠が継続可能かどうかは、がんの種類や胎児の発育状況で変化します。

たとえば乳がんの場合、妊娠3か月までにがんが発見されれば、この時点でがん治療を行うと胎児の発育に影響を及ぼす可能性があるため妊娠の継続を諦めなければならないこともあります。妊娠4か月以降であれば、がん治療が胎児に与える影響が少なくなることから、妊娠を継続しつつ、抗がん剤を用いてがん治療を行うことも可能です。

がんの種類や治療法、ステージによっては治療後に妊娠することができる可能性があります。近年では特に生殖補助医療が発展し、がんの治療の前に卵子や卵巣、受精卵を凍結することで将来の妊娠の可能性を残しておくことも可能です。

がんになったからといって、必ずしももう妊娠できない、妊娠を継続することはできないということはありません。ですから、万が一妊娠中、または妊娠を希望しているときにがんが見つかっても、悲観的にならずに主治医や専門の機関に相談してみてください。

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実績のある医師

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順天堂大学医学部附属練馬病院 産科・婦人科教授/診療科長

おぎしま だいき

順天堂大学医学部附属練馬病院―“ワンチーム”で充実した医療を地域に届ける

練馬区の医療を支える順天堂大学医学部附属練馬病院によるを不整脈・子宮頸がん・大腸がん・前立腺がんテーマにした特集です。

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東京都練馬区高野台3丁目1-10

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独立行政法人国立病院機構 東京医療センター 産婦人科 科長

やました ひろし

国立病院機構 東京医療センターー低侵襲な医療を患者さんに提供することで地域医療に貢献する

区西南部医療圏の医療を支える東京医療センターによる、前立腺がん・子宮体がん・胃がん.大腸がん・慢性中耳炎.真珠腫性中耳炎の治療をテーマにした特集です。

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国際医療福祉大学三田病院 婦人科部長、国際医療福祉大学 産婦人科学教授

うえだ かず
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