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腟がんのしこりの特徴って? ~腟がんの症状や陰部周辺にしこりができる別の病気~

腟がんのしこりの特徴って? ~腟がんの症状や陰部周辺にしこりができる別の病気~
上田 和 先生

国際医療福祉大学三田病院 婦人科部長、国際医療福祉大学 産婦人科学教授

上田 和 先生

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腟がんとは、子宮頸部(しきゅうけいぶ)と外陰部をつなぐ“腟”という組織にできるがんです。発生頻度は女性生殖器がんのおよそ1%であり、まれな病気です。腟の内側は粘膜で覆われており、腟がんはこの粘膜から発生します。初期症状がみられないことも多くありますが、不正出血などのほか、腟内に現れる症状の1つにしこりがあります。

本記事では、腟がんのしこりをテーマに、腟周辺にしこりができる別の病気についても解説します。

腟がんでは、初期症状がほとんどないことが多く、子宮頸がん検診などで偶然に発見されることも少なくありません。しかし、兆候としてみられる症状の1つに腟内にしこりができることがあります。

しこりができるといっても、腟内をはじめ女性の陰部にしこりが生じる病気は腟がんだけでなく、しこりだけで腟がんを判断することは困難です。また、女性生殖器がんのおよそ1%の発症率で、まれな病気ということを踏まえ、気になる症状がある場合は、ほかの病気の可能性も含め医師に相談してみるとよいでしょう。

腟内のしこりのほか、性器からの不正出血、おりもの、性交痛、下腹部の痛み、排尿痛、便秘などさまざまな症状が現れることがあります。

以下では、女性の腟や陰部周辺にしこりができる主な病気を解説します。

外陰がんとは大陰唇(だいいんしん)や小陰唇、陰核など外陰部に発生するがんです。腟がん同様、初期には自覚症状が現れない場合もありますが、症状が現れる場合は外陰部のしこりやかゆみ、ほてり、痛みなどさまざまな症状がみられます。

若年女性の外陰がんは腟がん同様ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が関与している可能性がありますが、高齢女性の外陰がんではHPVの感染が関与する可能性は少ないと考えられています。

外陰がんも女性生殖器がんの中ではまれな病気です。ただし、腟がんよりは頻度が高く、女性生殖器がんの3~5%を占めるといわれています。腟や外陰周辺にできるしこりには良性のものもあります。

バルトリン腺嚢胞(せんのうほう)とは、腟口の近くから分泌液を出す“バルトリン腺”の開口部分が詰まることによって外陰部に腫れが生じる病気です。症状として外陰部の違和感を覚えることがありますが、嚢胞が小さい場合には自覚症状がないこともあります。

しかし、バルトリン腺に感染が生じると“バルトリン腺炎”、進行して(うみ)がたまると“バルトリン腺膿瘍(せんのうよう)”となり、立ち歩くことが難しいほどの痛みや排尿・排便障害がみられることもあります。また炎症が治まっても固くしこりとして残ることもあります。

軽症の場合には経過観察で済むこともありますが、症状があったりすると薬物療法が検討されることもあります、また、重症化するとたまった膿を排出するための手術などが検討されることもあります。繰り返す場合にはバルトリン腺嚢胞そのものを摘出する手術も検討されます。

尖圭(せんけい)コンジローマとは、“ヒトパピローマウイルス(HPV)”に感染することによって性器周辺に発生するしこり(腫瘍)です。感染後数週間から2〜3か月の潜伏期間を経て、大陰唇・小陰唇・肛門周囲・腟などにいぼのようなしこりが発生します。

尖圭コンジローマのほとんどは、時間の経過とともに自然治癒しますが、ときにがん化することもあるため注意が必要です。

梅毒とは“梅毒トレポネーマ”と呼ばれる病原菌に感染する性感染症です。感染すると数週間の潜伏期間の後、腟や陰部など感染した部位にしこりが生じることがあります。

しこり自体には痛みがなく、時間の経過とともに軽快することが一般的です。しかし、放置していると病原体が体の中で広がり、他人にうつしてしまったり、数年後には命に関わる状態になってしまったりすることもあるため、早期に薬物治療を行うことが大切です。そのため気になる症状があれば、しこりが消失した後でも医療機関の受診を検討しましょう。

腟壁嚢胞とは、良性の袋状の病変が腟に発生した状態のことです。

さまざまな種類がありますが、代表的なものに胎児期にあるウォルフ管が腟や子宮頸部に残って嚢胞化するガートナー管嚢胞などが挙げられます。ガートナー管嚢胞の多くは小さく自覚症状はありませんが、まれに大きくなり痛みなどの症状が現れる方もいます。

このほかにも脂肪腫粉瘤(ふんりゅう)といった皮下腫瘍が外陰部に生じ、しこりとして気付かれることがあります。

腟内のしこりや検診などをきっかけに腟がんが疑われる場合は、腟だけでなく、子宮頸部・子宮体部など骨盤内のさまざまな臓器を調べる検査が行われます。

たとえば、子宮頸がん検診などで採取した細胞に異常がみられた際には、腟や周りの臓器を内診し、コルポスコープ(腟拡大鏡)を使って観察をします。何らかの異常があった場合にはその病変の組織を採取し、顕微鏡で見ることによって診断を行います。そのほか、血液検査や必要に応じてエコー検査やCT検査、MRI検査などの画像検査が検討されることもあります。

腟がん子宮頸がん検診などでたまたま見つかることもあります。病気の早期発見のため、20歳以上の女性は2年に1回の子宮頸がん検診を受けるようにしましょう。また、しこりなど何らかの症状がある場合には、放置せず婦人科の受診を検討することが大切です。

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    上田 和 先生

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