せんけいこんじろーま

尖圭コンジローマ

最終更新日:
2024年10月16日
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2024/10/16
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2020/11/25
更新しました
2017/04/25
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概要

尖圭コンジローマは、性感染症の一種です。感染している人との性行為によって外陰部などにヒトパピローマウイルス(HPV)6型や11型が感染することで引き起こされます。若年層に多いといわれていますが、まれに医療従事者や親の手指に付着したウイルスによって幼児に発症することもあります。

発症すると、女性であれば外陰部を中心に、男性であれば陰茎などに鶏のトサカのような淡紅色~褐色のイボが形成されます。中には悪性化(がん化)するものもあるため、適切な治療と経過観察が必要です。

治療では、電気メスでイボを焼き切ったり、抗がん薬の成分が含まれた軟膏を塗ったりします。しかし、現在のところ原因となるヒトパピローマウイルスを体内から排除する治療法はないため、これらの治療を行っても再発を繰り返しやすいといわれています。

原因

尖圭コンジローマは、性行為によって外陰部にヒトパピローマウイルス6型、11型などが感染することが主な原因です。

ヒトパピローマウイルスは皮膚や粘膜の微小な傷から体内へ侵入するとされており、特にアトピー性皮膚炎接触皮膚炎など元々皮膚にトラブルが起こりやすい人に発症しやすいといわれています。また、オーラルセックスによって喉に感染が生じて発症することも少なくありません。

症状

尖圭コンジローマを発症すると外陰部や陰茎、肛門(こうもん)子宮頸部(しきゅうけいぶ)、子宮口などにイボが形成されます。イボは薄いピンク色や褐色で、表面がとげとげした鶏のトサカやカリフラワーに似た特徴的な形状です。

そのほか、女性であればおりものの増加といった症状が現れることがあります。かゆみや痛みなどの症状は現れないことも多く、本人からは見えにくい部位に発症するため、発見が遅れるケースも珍しくありません。

尖圭コンジローマは自然に治るケースもありますが、まれにがんに移行することもあるため注意深い経過観察が必要となります。

また、尖圭コンジローマを発症している母親から経腟分娩で生まれた赤ちゃんは感染する可能性があり、赤ちゃんの喉に良性の腫瘍(しゅよう)ができる“再発性呼吸器乳頭腫”を発症する原因となります。この病気を発症すると声のかすれなどが生じるほか、腫瘍が大きくなって呼吸困難などを引き起こし、命に関わるケースも報告されています。

検査・診断

尖圭コンジローマは非常に特徴的な形状のイボができるため、通常は医師が目で確認するのみで診断されます。女性の場合は拡大鏡など特殊な医療機器を使い、子宮頸管や子宮口にイボができていないか確認する検査を行います。肛門周囲に尖圭コンジローマを発症している場合は、肛門鏡を用いて直腸の状態などを確認する検査も必要となります。

また、尖圭コンジローマはがんに進行することもあるうえ、外陰部に生じるがんの中には尖圭コンジローマと似た病変を形成するものもあります。見た目だけで判断が難しいときは病変を採取し、顕微鏡で組織を詳しく観察する病理検査や、発症原因のヒトパピローマウイルスの遺伝子を検出する検査を行うことがあります。

治療

尖圭コンジローマの治療は、病変の部位や大きさ、患者の状況に応じて外科的治療と薬物療法を行います。

外科的治療

尖圭コンジローマの治療としてよく行われるのは、液体窒素が付着した綿棒をイボに押し当てて壊死(えし)させる“凍結療法”です。一度イボを切除しても再発しやすいため、1~2週間置きに繰り返す必要があります。

また、治療方針は医療機関によって異なり、電気メスでイボを焼き切る“電気焼灼法”、炭酸ガスやレーザーなどでイボを切除する“レーザー蒸散術”が行われることもあります。

薬物療法

尖圭コンジローマを根本的に治すには外科的な治療が必要ですが、尖圭コンジローマの治療薬として“イミキモドクリーム”を使用するほか、酢酸やポドフィリンといった外用薬も使用されます。

これらの治療で効果がみられない場合は、抗がん薬の一種であるフルオロウラシルやブレオマイシン塩酸塩が含まれた軟膏を塗って経過を見ることもあります。

イボの症状が改善していても周囲にウイルスが残っている可能性があり、再発することも少なくありません。そのため、イボが消えてからも数か月は通院して経過観察を続けます。尖圭コンジローマの治療は時間がかかりますが、根気よく治療を続けることが大切です。

予防

尖圭コンジローマの原因となるヒトパピローマウイルスは、主に感染している人との性行為によって感染します。そのため、妊娠を希望しているとき以外はコンドームを使用するよう心がけることが大切です。また、不特定多数との性交渉は感染するリスクが高まるため控えましょう。さらに、ヒトパピローマウイルスはオーラルセックスを通して喉に感染することもあります。パートナーが尖圭コンジローマを発症しているときは性行為を控えるだけでなくオーラルセックスも控える必要があります。

日本では、子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス16型と18型、尖圭コンジローマの原因となるヒトパピローマウイルス6型と11型の計4つのヒトパピローマウイルスに対応したワクチン(2価、4価、9価*)を接種することも可能です。これらのワクチンを接種することで尖圭コンジローマの発症を防ぐことができます。

*9価ワクチンは小学校6年~高校1年相当の女子を対象に、2023年4月から公費での接種が可能。定期接種の対象年齢外は任意接種となる。

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