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ばいどく

梅毒

最終更新日
2020年11月25日
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2020/11/25
更新しました
2017/04/25
掲載しました。

概要

梅毒とは、梅毒トレポネーマと呼ばれる細菌に感染することによって引き起こされる病気です。主な感染経路は性行為とされていますが、感染者の体液や血液に触れることによって皮膚の傷口や粘膜から感染するケースもあります。

梅毒は感染してもすぐに症状が現れるわけではなく、3週間ほど経過した後に感染が生じた皮膚や粘膜に硬いイボのような病変が現れます。しかし、これらの病変は数週間で自然に治るため発症に気付かないことも少なくありません。体内では梅毒トレポネーマの増殖が進み、一定の時間をおいてさまざまな症状が現れるようになります。

治療はペニシリン系抗生剤の投与が行われ、治療法が確立した1940年代以降は日本国内で梅毒によって命を落とす方はまずいなくなりました。しかし、有効な治療がなかった時代は感染から数年~数十年を経て心臓や神経などにも感染が及び、死に至ることも多い病気の1つでした。

また近年、日本では若い女性を中心に患者が増えていることが問題となっています。妊娠中に梅毒に罹患していたり感染したりすると、胎盤を通して胎児に感染し“先天梅毒”を引き起こすことがあるため注意が必要です。

原因

梅毒は、梅毒トレポネーマと呼ばれる病原体に感染することが原因で発症する病気です。

梅毒トレポネーマは感染者の血液や体液に含まれており、それらが粘膜や皮膚の傷口などから体内に入り込むことによって感染します。梅毒トレポネーマは酸素が十分に存在する環境の中では生存することができないため、主な感染経路は粘膜同士の接触のある性行為など限られた感染経路のみとされています。一方で、大量の病原体が含まれる血液や体液に触れるとまれに皮膚の傷口から感染が生じることも報告されています。

また、梅毒はHIV感染症などほかの性感染症にかかっていると感染しやすいことが知られています。

症状

梅毒は、発症してから経時的にさまざまな症状が現れるのが大きな特徴の病気です。梅毒の病気の進行は3段階に表され、時間の経過に伴い症状が徐々に進行していきます。また、症状が現れたり、自然に消えたりを繰り返すこともあります。

第I期梅毒(感染から約3週間)

梅毒トレポネーマに感染してから3週間ほどの潜伏期間を経て、感染が生じた粘膜や皮膚に“初期硬結”や“硬性下疳”と呼ばれる硬いイボのような皮疹が生じます。多くは外陰部の目につきにくい部位にでき、通常は痛みやかゆみなどを伴わないため発症に気付かないケースも多いとされています。梅毒は偽装の達人とも呼ばれ、初期の段階では他の病気と間違われることも多い病気です。また、脚の付け根のリンパ節などが腫れることもあります。

痛みがないことも多く、特に治療をしなくても2〜3週間で症状が消えてしまいます。

第II期梅毒(感染から数か月)

第I期梅毒の症状が改善して4~10週間ほど経過した後に、粘膜や皮膚から体内に侵入した梅毒トレポネーマが血液によって全身に運ばれることで、外陰部を中心として全身に皮疹や脱毛などの皮膚症状が現れるようになります。

特徴的な症状は手のひらや足のひら、全身に現れる発疹です。これらの症状も痛みやかゆみを伴わないことが多く、治療をしなくても数週間〜数ヶ月で症状が治まってしまいます。

また、発熱や倦怠感などの全身症状を伴うことも多く、中には髄膜炎などの重篤な合併症を引き起こすケースも多々あります。しかし、数週間~数か月で自然に治っていくため、医療設備が脆弱(ぜいじゃく)な発展途上国などでは明確な診断が下されないケースも少なくありません。

感染から1年未満のI期とII期では梅毒の感染力が高い時期です。性的接触による感染力が高く、症状が現れていない時期(潜伏期)でも気付かず誰かに感染を広める可能性もあります。検査をしないと梅毒に感染したかどうか分かりません。症状の現れ方には個人差があるため、気になることがある場合には検査を受けることが大切です。

第III期梅毒(感染から数年~数十年)

第II期の症状が治まると、数年~数十年は何も症状がない状態が続きます。多くはそのまま梅毒トレポネーマが体内に“潜伏”した状態で一生を終えますが、約30%では再び症状が現れることがあります。治療をしないでいると、無症状のまま症状が進行し、やがて心血管や神経にも異常が現れるようになります。

症状の程度はさまざまであり、“ゴム腫”と呼ばれる軟らかい腫瘍(しゅよう)が皮膚や肝臓、骨などにできるのみのこともあれば、心臓や神経(脳・脊髄(せきずい))にダメージが生じて命に関わる重篤な状態に陥ることもあります。

検査・診断

現在、梅毒の診断には、血液中の梅毒トレポネーマに対する抗体(病原体を攻撃するたんぱく質)の有無を確認する検査が行われています(2020年10月時点)。

ただし、梅毒トレポネーマに対する抗体は感染してから3週間ほど経過しないと血液中に産生されません。感染が疑われる性行為などがあった場合でも、その直後に診断が下されるわけではありませんので適切な時期に検査を受けることが大切です。

治療

梅毒は、ペニシリン系の抗菌薬の内服や点滴による治療が行われます。

日本国内では多くが第I期や第II期の軽度な段階で発見されるため、基本的には内服治療が行われ、2~8週間にわたる治療の継続が必要となります。一方、第III期で発見された場合は10~14日ほどにわたる点滴治療を行うのが一般的です。

また、第III期に移行し、心臓や神経にダメージが生じることによる症状がある場合は、それぞれの症状を改善するための対症療法が必要に応じて行われます。

予防

梅毒の多くは性行為によって感染するため、予防にはコンドームの使用を徹底し、不特定多数との性交渉を控えることが大切です。パートナーが梅毒に感染していることが分かった場合は、治療が終了するまで性交渉を控えましょう。

また、梅毒はまれに体液や血液に触れることで感染することもあります。医療従事者などでない限り、他者の体液や血液に触れる機会は少ないですが、歯ブラシやカミソリなど体液や血液が付着している可能性のある道具の使い回しを避けるのもポイントです。

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