インタビュー

梅毒の検査方法とは?

梅毒の検査方法とは?
尾上 泰彦 先生

プライベートケアクリニック東京 院長

尾上 泰彦 先生

性感染症のひとつとして有名な梅毒は、治らない病気ではありません。早期発見・早期治療が回復への何よりの近道なのです。梅毒の検査方法や受診先などについて、臨床経験豊富な尾上泰彦先生に伺いました。

梅毒の検査方法は2通りある

梅毒とは、性行為などを通じてトレポレーマ・パリダム(以下T.p.)が体内に侵入することで引き起こされる感染症のひとつです。

梅毒に感染しているか検査する方法には、病変から直接菌を検出する方法と、血液を用いて行う血清学的検査による方法の2通りがあります。しかし実際の検査は血清学的に判定、診断を下されることが多いです。

梅毒トレポネーマの直接の検出

初期硬結などがみられる病変部から漿液(しょうえき)を採集し、顕微鏡を使用して目視によりT.p.の有無を確認します。

脂質抗原を用いるSTS(ガラス板法・RPR法)

抗原と血清を反応させる方法です。この非特異的脂質抗原を用いた査方法は、病気の診断のみでなく治療にさいして病状の変化を確認する目安としても利用されます。

T.p.抗原を利用する方法(FTA‐ABS・TPHA)

梅毒の原因であるT.p.に対する抗体の反応を調べることにより、梅毒の感染の有無を確認する方法です。T.p.抗原を用いた方法にはFTA‐ABS(梅毒血球凝集反応)やTPHA(梅毒蛍光抗体吸収法)があります。抗原を検査に利用する方法は、梅毒の感染の有無を調べるには適切とされています。しかし、一定以上に抗体価が上昇すると、たとえ治療が適切であったとしても数値が下がらず、また治療が終了した後も半永久的に陽性反応を示します。そのため治療の進捗状況を調べるには不適切とされています。

検査費用はどのくらいかかりますか?

病院で受診した際に支払う費用の内訳には、診察費・検査費・薬剤費・処方料・判断料などがあり、保険適用になった際は全体の3割を自身で負担することになります。

性感染症の検査には、保険が適用される場合とそうでない場合があります。診察時になにかしらの症状が出ていたり検査結果が陽性だった場合などは、その後の治療費も健康保険の適用対象となります。一方、感染が心配で検査をして陰性だった場合は適用対象外となるため、検査費用は基本的に全額負担となります。

梅毒の検査費用は病院によって差があります。病院に電話などで問い合わせすると大体の目安を教えてもらえるので、気になるときには問い合わせてみましょう。

性感染症は病院外でも検査をすることができますか?

病院での検査のほかに、全国の保健所や自治体の施設で検査をするという方法もあります。梅毒のほか主にHIV・クラミジア・淋菌の有無について個人名を伏せて検査することができるうえ、費用も原則無料となっています。

しかし自治体や保健所の検査では、病院での検査に比べると検査項目が限られることや、検査結果は郵送や電話で問い合わせすることができず対面での通知となるなど注意点もあります。自身のスケジュールを考慮し、どちらの施設で検査を受けるか判断してください。

不安な時はどの科を受診したらいいのでしょうか?

性感染症の検査・治療を専門とするのは性感染症科(性病科)ではあります。しかし心理的なハードルには個人差があり、「性感染症かも? 」と感じても検査にためらいが生じてしまうのも事実です。性感染症は皮膚科・泌尿器科・婦人科などでも検査・治療を受けることができます。

性器まわりなどにしこりができるなどいつもと様子が違う、心当たりがあり不安を感じるなど、性感染症に感染したかもと心配な時は、積極的に診察を受けましょう。

梅毒の検査はいつごろからできますか?

梅毒の原因となるT.p.は、感染から3週間から6週間経過した後でなければ検査をしても陽性反応を示しません。性行為後に不安になった際は、6週間を経過してから受診するようにしましょう。