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STD(性感染症)の治療法とは? ~STDの種類別の治療法と予防法について解説~

STD(性感染症)の治療法とは? ~STDの種類別の治療法と予防法について解説~
水野 泰孝 先生

グローバルヘルスケアクリニック/内科・感染症内科・小児科・アレルギー科・トラベルクリニック 院長

水野 泰孝 先生

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STD(Sexually transmitted diseases)とは“性感染症”とも呼ばれ、主に性的な接触によって感染者の血液、腟分泌液、精液などの体液が相手の性器・口の粘膜などに触れることでかかる感染症のことです。また、近年はSTDの症状が現れている場合だけでなく、原因となる病原体に感染していながら無症状である場合を含めた総称として、STIと呼ばれることもあります。STDは放置していると性行為時にセックスパートナーにうつしてしまう可能性があるほか、進行すると重篤(じゅうとく)な合併症が起こる可能性もあるため、早期に診断・治療を行うことが大切です。

このページでは、主なSTDの治療方法や予防方法などについて解説します。

STDの治療は薬物療法が一般的です。STDは原因によって細菌性・ウイルス性などの種類があり、この種類によって症状や治療法が異なります。

一般的には、細菌による性感染症の場合は抗菌薬、ウイルスによる性感染症の場合は抗ウイルス薬、寄生虫(原虫)による性感染症の場合は抗原虫薬が処方されます。さらに、尖圭(せんけい)コンジローマなどでは患部の切除などの外科的治療が行われることもあります。なお、性感染症と診断された場合は患者さんのセックスパートナーもSTDに感染している可能性があるため、パートナーも病院の受診を検討しましょう。

このようにSTDにはさまざまな種類がありますが、以下では細菌性とウイルス性の代表的なSTDの具体的な治療法について解説します。

細菌性のSTDでは主に抗菌薬で治療を行います。細菌性は治療によって根治が可能ですが、根治するまで性行為は控えるようにしましょう。

梅毒(ばいどく)とは梅毒トレポネーマと呼ばれる細菌によって生じるSTDで、内服薬(飲み薬)としてペニシリンという抗菌薬が処方されます。

服薬期間は病気の進行度合いによって異なり、感染した部位に潰瘍(かいよう)が生じる第1期では2~4週間、病原菌が全身に広がり皮疹や発熱などが生じる第II期では4~8週間、第2期から数年が経過し皮膚にゴム腫が生じたり心血管や神経に梅毒が感染したりする第3期では8~12週間の服薬が必要です。最近では1回で済む注射薬も使えるようになりました。

淋菌感染症(りんきんかんせんしょう)とは淋菌と呼ばれる細菌によって生じるSTDで、セフトリアキソンと呼ばれる抗菌薬の静脈注射やスペクチノマイシンと呼ばれる抗菌薬の筋肉注射が行われます。これらの注射を行うことで、菌が死滅します。

なお、淋菌感染症では抗菌薬の効きにくい“耐性菌”が増えてきていることが治療の課題となっています。

性器クラミジア感染症とは、クラミジア・トラコマチスと呼ばれる細菌によって生じるSTDで、内服薬としてアジスロマイシンやドキシサイクリン、レボフロキサシンなどの抗菌薬が処方されます。服薬期間はアジスロマイシンの場合は1回ですが、ドキシサイクリンやレボフロキサシンの場合は7日間の服用が必要です。

ウイルス性のSTDの治療では主に抗ウイルス薬が処方されます。治療によって症状をコントロールすることは可能ですが、一度症状が軽快しても体調などによって再発する可能性があり、都度治療を行う必要があります。

性器ヘルペスとは単純ヘルペスウイルス(HSV)と呼ばれるウイルスによって生じるSTDで、内服薬、静脈注射や外用薬(塗り薬)が処方されます。服用期間は内服薬で治療する場合には5日間程度の服用、静脈注射の場合は1回が一般的です。また、外用薬は再発など比較的症状の軽い場合に処方されます。

尖圭(せんけい)コンジローマとはヒトパピローマウイルス(HPV)6・11型と呼ばれるウイルスによって生じるSTDで、外科的な治療や薬物療法が行われます。外科的治療では、患部の切除やレーザーによる蒸散、電気メスによる焼灼(しょうしゃく)、液体窒素による凍結などが行われます。

一方、薬物療法では外用薬としてフルオロウラシルやブレオマイシンなどの軟膏が処方されます。

STDを予防するためには、性行為の際にコンドームを正しく使用することが非常に大切です。ただし性行為をする以上、コンドームを使用していても感染リスクをゼロにすることは困難です。そのため、コンドームを使用するほかにも、不特定多数の相手と性交渉をすることを避け、ほかにセックスパートナーのいる相手との性交渉を控えるようにしましょう。

万一、感染者と性行為をした可能性がある場合やSTDを疑うような症状が現れた場合には、セックスパートナーへの感染を予防するためにも病院の受診を検討しましょう。また、ヒトパピローマウイルス感染症など一部の性感染症はワクチンを接種することによって予防ができます。

STDの治療は原因となる病原体によっても異なります。気になる症状が現れた場合には医療機関を受診し、早期診断・治療を受けるようにしましょう。また、治療や今後の性生活などについて疑問点・不安点を感じた際は、担当医に相談することを検討しましょう。

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