「性感染症」というテーマは、日常生活の中ではなかなか話題にしにくいものかもしれません。しかし、性感染症の知識は、私たちがきちんと身につけておかなければならないものです。
さまざまな性感染症について、性感染症学会の代議員としてわが国における性感染症予防・治療を牽引し、ご自身の診療所でも長きに渡り性感染症の患者さんと向き合われてきた尾上泰彦先生に伺います。今回は「尖圭コンジローマ」についてのお話です。
尖圭コンジローマとは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって発生する一種のイボです。HPVは人間の身体にできるイボのほとんどの原因であり、現在150種類近く確認されています。尖圭コンジローマの原因は主にHPV6型と11型です。感染したら潜伏期間(数週間から8ヶ月)を経てイボができはじめます。
またその長い潜伏期間のため、複数のセックスパートナーがいる場合は誰から感染したのか分からないことがあります。
性器やその周辺にイボができます。男性の場合は亀頭、包皮、陰嚢、外尿道口、肛門周辺にイボがよくできます。女性の場合では、腟の入口、小陰唇、子宮腟部、肛門周囲にイボがよくできます。イボの形は先の尖った乳頭状という独特な形で、鶏のトサカ状・カリフラワー状など多種多様に存在します。
尖圭コンジローマは良性の腫瘍なのでまれに自然に治ることもありますが、多くは増殖していきます。また、もしHPV16型、18型に感染すると、男性の場合は陰茎癌、女性の場合は子宮頸癌になってしまう恐れがあります。しかし、痛くも痒くもないことや恥ずかしさから専門医を受診する機会を逃し、イボがかなり増えたり大きくなるまで放置されることもあります。ウイルスは賢く、あまり症状を出しませんが着実に侵略してきます。
尖圭コンジローマは感染している人との接触、腟性交やアナルセックスにより感染します。
感染のリスクを減らすためにコンドームを使用しましょう。
治療法としては、外科的療法と薬物療法が挙げられます。外科的療法には外科的切除、電気焼灼術、凍結療法、レーザー蒸散術といった種類があります。薬物療法で用いられる薬には、イミキモド5%クリームの外用、80~90%の三塩化(二塩化)酢酸の外用、インターフェロンの局所注射、10~25%のポドフィリンアルコール溶液、0.5%ポドフィロックス溶液またはゲルの外用などが挙げられます。
尖圭コンジローマに似た症状に、真珠様小丘疹(しんじゅようしょうきゅうしん)があります。真珠様小丘疹は性感染症ではありません。男性の場合は亀頭の冠状溝に、女性の場合は腟前庭から小陰唇にかけて左右対称にできる乳頭状のイボの事を言います。これらの中には、生理的変化で生じるものや粘膜下の脂腺が透けて黄色に見えるものもあります。これらのイボは医師によりコンジローマと誤診されるケースもあります。臨床上は尖圭コンジローマよりも多く見られます。
真珠様小丘疹については、以下の記事を参考にしてください。
参考記事:「真珠様小丘疹とはどんな病気-尖圭コンジローマと間違われる病気」
プライベートケアクリニック東京 院長
尾上 泰彦 先生の所属医療機関
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尖圭コンジローマの凍結療法について
先日6月20日に尖圭コンジローマと診断され、手術が必要だと診断されました。 感染したのは恐らく去年の夏頃で、違和感を感じたのは12月です。 尿道の入り口に1mmほどのイボが2つ、陰茎に1mmほどのイボが2つほど、陰茎の根本付近に2mm程度のイボが2つあります。 尖圭コンジローマの処置にはいくつか方法があると思いますが、薬が使えない箇所にもイボがあるため、手術か凍結療法が必要だと言われています。 凍結療法での治療はどの程度痛むのでしょうか。 特に尿道の治療が恐いです。
尖形コンジローマにかかってしまいました。
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尖圭コンジローマについて
4か月前に尖圭コンジローマのレーザー治療を受けました。それから、再発は今のところありません。尖圭コンジローマは完治する物なのですか?今後妊娠した時に再発する事はありますか?
クラミジア、コンジローマの感染原因について
半年ほど前から不正出血、下腹部痛があり婦人科に2~3ヶ月に一度通院していました。 内診は一度あり問題なし、様子を見るよう言われていました。 約1週間前に性器にイボのようなものがあり、性感染症科のクリニックへ診察と検査に伺い、コンジローマと診断されました。その後検査結果からもクラミジア陽性とわかり、現在はかかりつけの婦人科にて治療をしております。 今、性交渉をしている彼にもすぐ検査を受けてもらい、喉を含む検査も陰性とわかりました。 私、彼共に、昨年、一昨年と毎年検査を(私はHPV低リスク含む)受けており陰性。 今年、不正出血の症状が出始めた時期が、陰部の脱毛の施術を受け始めた時期と重なっています。 クラミジア、コンジローマは脱毛の施術で感染する可能性は考えられるのでしょうか。 どちらの性感染症も性行為以外で感染することはあり得ないのでしょうか。
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