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外陰腟カンジダ症とは?~多く見られる自覚症状は白いおりものの増加~

外陰腟カンジダ症とは?~多く見られる自覚症状は白いおりものの増加~
尾上 泰彦 先生

プライベートケアクリニック東京 院長

尾上 泰彦 先生

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外陰腟カンジダ症とは、カンジダ属の菌によって腟や外陰部に炎症が起こる感染症です。また、関連する病名に、カンジダ外陰腟炎や腟カンジダ症というものもあります。カンジダ外陰腟炎は外陰部と腟の両方に、腟カンジダ症は腟のみに炎症が起きる病気です。

本記事では、外陰腟カンジダ症の概要、症状、原因、治療などについて詳しく解説します。

外陰腟カンジダ症とは、カンジダ属の真菌によって引き起こされる感染症です。カンジダ属の真菌はもともと人間の口内や消化管、腟に生息しているもので、通常であれば人体に悪影響はありません。しかし、高温多湿や不衛生な環境下や、免疫力が低下している状態では、菌が異常に増えて害を与えることがあります。

腟や外陰部以外にも、口の中や広角、爪の周辺、男性の場合は陰茎に症状が見られることもあり、部位ごとに病名が異なります。

外陰腟カンジダ症に多く見られる自覚症状は、おりものの増加やかゆみです。そのほかにも、赤み、痛みなどの症状が現れることがあります。

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外陰腟カンジダ症でよく見られる症状として、おりものの増加が挙げられます。おりものは白っぽく塊になっており、酒粕やおかゆ、ヨーグルトのような見た目と表すこともあります。このような、普段と異なるおりものが下着に付着することで、外陰腟カンジダ症に気付くことがあります。

外陰部や腟のかゆみも、外陰腟カンジダ症でよく見られる症状のひとつです。かいてしまうために、外陰部に引っかき傷ができてしまうこともあります。

そのほか、外陰部や腟が熱い、痛い、性交時に痛みがある、排尿時に違和感があるなどの症状を感じることもあります。また、外陰部に腫れや赤み、おりものの付着が見られることもあるとされています。

外陰腟カンジダ症の原因となるカンジダ属の真菌は、普段から腟などに生息していますが、体調を崩すなどして腟内の常在菌のバランスが崩れると、カンジダ菌が増殖して症状が現れるとされています。腟周辺でカンジダ菌が過剰に増殖する原因は、以下のとおりです。

腟周辺が不衛生になると、菌が増殖することがあります。たとえば、汗や蒸れなどで高温多湿となる、オムツや下着の交換頻度が低いといった場合です。また、合成繊維の締め付けの強い下着を着用すると、水分を吸収しにくく、蒸れて菌が増殖しやすくなるとされています。

糖尿病患者やHIV感染者、エイズ患者であったり、ステロイド剤など免疫系を抑制する薬を使用していたりすると、免疫系の機能が低下していることがあり、その場合、外陰腟カンジダ症が引き起こされることがあると考えられています。

また、免疫力が低下している場合、カンジダの菌が血液や体内の組織に侵入し、命の危険もある全身性カンジダ症を引き起こすこともあります。

洗浄力の強い洗剤で洗いすぎるなどして腟の酸性度が低くなると、腟内を守る常在菌が少なくなり、感染症を引き起こす細菌が増えてしまいます。また、抗菌薬を使用している場合も、腟内の菌のバランスが崩れ、外陰腟カンジダ症の原因になることがあります。

そのほか、妊娠や月経などによるホルモンバランスの変化、性的接触によるカンジダ感染も、外陰腟カンジダ症の原因になるといわれています。

外陰腟カンジダ症が疑われる症状が現れた場合は、婦人科、産婦人科などを受診するとよいでしょう。病院ではまず病名の特定をするために、問診、外陰部や腟内の観察、pHのチェック、菌の検査などを行います。

カンジダが検出されても、かゆみやおりものの増加、腟周辺の炎症などの症状が認められない場合は、治療の必要はないとされています。症状があり、治療の必要があると判断された場合は、塗り薬や飲み薬が処方されます。また、腟周辺を清潔にし、刺激の強いせっけん、性交渉を避ける、通気性のよい下着を付けるなどのセルフケアも並行して行うとよいとされています。

おりものの異変、増加、陰部のかゆみや痛みを感じる場合、外陰腟カンジダ症の可能性があります。まずは清潔を心がけ、症状が治まらない場合は婦人科の受診を検討しましょう。治療の際は、処方薬の使用と並行して、陰部の清潔、使用するせっけん、下着などに注意し、セルフケアも行うとよいでしょう。

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