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性器クラミジア感染症の症状とは?〜不妊の可能性や予防の重要性について〜

性器クラミジア感染症の症状とは?〜不妊の可能性や予防の重要性について〜
尾上 泰彦 先生

プライベートケアクリニック東京 院長

尾上 泰彦 先生

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性器クラミジア感染症は日本でもっとも多くみられる性感染症で、“クラミジア・トラコマチス”と呼ばれる細菌に感染することによって生じます。これはオーラルセックス・アナルセックスを含む性行為中に性器・咽頭(いんとう)・直腸などに感染するといわれ、もし感染すると不妊の原因になるほか、女性の場合には出産時に母子感染が生じたりすることもあるため注意が必要です。

感染後は何らかの症状が現れることもありますが、無症状で経過することもあるため、早期発見、治療につなげるためには、性器クラミジア感染症について正しく理解することが非常に重要です。本記事では、性器クラミジア感染症の症状について男性と女性に分けた特徴を解説します。

女性が性器クラミジア感染症にかかると、子宮(けい)管炎を発症した後、子宮内膜炎、卵管炎、骨盤内炎症性疾患、肝周囲炎など感染が広がっていくことがあります。一般的に症状がなく経過するといわれていますが、ときに症状が現れる人もいます。

症状がある場合では、初期にはおりものや軽い下腹部痛が生じることがあるほか、進行すると不正出血や性交痛が生じることもあります。また女性が性器クラミジア感染症にかかると、子宮外妊娠や不妊、流産早産などの原因になることも分かっています。さらに妊婦が感染している場合には、出産時に産道感染によって新生児にうつしてしまう可能性もあります。

女性で性器クラミジア感染症が疑われる場合には、性感染症を専門に扱う診療科や婦人科・産婦人科などを受診することを検討しましょう。自覚症状がある場合はもちろん、感染が疑われる相手と性行為をした場合にも病院を受診するとよいでしょう。

男性が性器クラミジア感染症にかかると、尿道炎が生じた後、前立腺炎精巣上体炎などに発展することもあります。主な症状として、排尿時に痛みが生じることがあるほか、尿道の痛み・かゆみの排出などがみられることもあります。ただし、女性同様に自覚症状がほとんどないという人も半数程度いるといわれています。また、女性同様に性器クラミジア感染症が不妊の原因となることもあります。

男性で性器クラミジア感染症が疑われる場合には、性感染症を専門に扱う診療科のほか、泌尿器科や皮膚科の受診を検討しましょう。女性の場合と同様に、自覚症状がある場合はもちろん、感染の疑われる相手と性行為をした場合にも受診を心がけましょう。

性器クラミジア感染症と診断された場合、基本的に抗菌薬による治療が行われます。使用される主な抗菌薬としては、テトラサイクリン系薬やマクロライド系薬、ニューロキノン系薬が挙げられます。

また、自分が性器クラミジア感染症にかかっている場合、セックスパートナーも感染している可能性があり、たとえ自分が治療によって治癒したとしても、再び性行為をすることによって感染する恐れがあります。そのため、セックスパートナーにも症状がなくても病院を受診し、検査・治療を受けることをすすめるようにしましょう。

前述のように、性器クラミジア感染症にかかると不妊の症状が現れることがあります。たとえば、女性の場合にはクラミジアに感染したことによって腹腔(ふくくう)内や卵管などに癒着が生じ、妊娠しづらい、あるいは妊娠しても流産しやすいなどの状態になる場合があります。

性器クラミジア感染症によって不妊が生じている場合、仮に抗菌薬によって治療を行っても一度癒着したものはもとに戻らないため、不妊の状態が改善されない可能性があります。このような状況を避けるためにも、日頃からコンドームを使用したセーファーセックスを心がけ、性器クラミジア感染症にかからないよう心がけることが非常に重要だといえるでしょう。

性器クラミジア感染症は、感染しても症状が現れにくい病気です。ただし、場合によっては性器などに前述のような症状が現れるほか、咽頭に感染した場合には喉の腫れや痛み、直腸に感染した場合には肛門(こうもん)周辺の痛みや分泌物の発生などが生じることもあります。自覚症状がある場合には、放置せずに早めに病院の受診を検討しましょう。

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