しきゅうけいかんえん

子宮頸管炎

別名:子宮頚管炎
子宮

目次

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概要

子宮頸管炎とは、子宮頸部(けいぶ)に炎症が起きた状態を指します。原因はさまざまです。

子宮は女性の下腹部に、骨盤に囲まれて存在しています。主な役割は妊娠の成立、胎児の発育、出産ですが、それらに関係して周期的な月経にも関連しています。

子宮は平滑筋(へいかつきん)という筋肉でできた臓器で、逆三角形のような形状をしていますが、大まかに、以下の4つの部位に分かれています。

  • 子宮底部(子宮のてっぺん部分)
  • 子宮体部(子宮の本体部分)
  • 子宮頸部(子宮の下部。子宮頸管とも呼ばれます。)
  • 子宮腟部(子宮と腟の移行部分)

子宮頸管炎は、妊娠中にも妊娠時期以外にも発症しますが、妊娠中には特に注意が必要とされており、妊娠中に発症した場合には、流早産や絨毛膜羊膜炎(じゅうもうまくようまくえん)、新生児の合併症などにも関連すると考えられています。

また、子宮頸管炎が進行すると、子宮体部まで炎症が及んでしまい、子宮内膜炎や子宮筋層炎という状態に進展してしまうこともあります。

原因

原因は大きく感染性のものと非感染性のものに分けられます。

感染性

感染性のものでは、以下が原因として挙げられます。

  • 細菌(大腸菌など)
  • クラミジア
  • 淋菌
  • 梅毒
  • ウイルス(単純ヘルペスウイルス、ヒトパピローマウイルスなど)
  • 真菌(カンジダ、アスペルギルスなど)
  • 原虫(アメーバ、トリコモナスなど)
  • 寄生虫(蟯虫など)

多くのケースで、細菌、クラミジア、淋菌、ウイルス、カンジダなどが原因と考えられます。

非感染性

非感染性では、以下が原因として挙げられます。

  • アレルギーによるもの(薬物、精子など)
  • 萎縮によるもの(加齢、卵巣機能不全など)
  • 刺激によるもの(化学物質、異物、物理的損傷など)

症状

子宮頸管炎は子宮頸部に炎症が留まるものであるため、ほとんどの場合には重い症状が現れることはありません。

起こる可能性のある症状としては、以下が挙げられます。

  • 急性(急な悪化)の場合:膿性(のうせい)・粘液性のおりものの増加
  • 慢性(徐々に悪化)の場合:黄白色なおりものの増加や性交痛、腰痛

など

ただし、子宮頸管炎が進行、悪化すると子宮頸部を超えて子宮内膜や卵管、卵巣まで炎症が広がってしまう場合があります。この場合には、強い下腹部痛や上腹部痛、発熱がみられます。

注意しなければならない症状として、不妊症もあります。これはクラミジアによる子宮頸管炎の場合に、長期間治療されずに放置されると子宮や卵管周囲に炎症が広がり、癒着(ゆちゃく)(組織同士がくっついてしまうこと)が起こることが理由です。クラミジアによる子宮頸管炎は自覚症状が少なく、気づかれにくいという特徴もあります。

また、妊娠中に発症した場合には、産科合併症として流早産、絨毛膜羊膜炎、新生児の合併症を続けて発症する可能性もあり、注意が必要です。

検査・診断

まず重要になるのは症状などの問診と、内診によるおりものや子宮頸部の診察です。

感染性の子宮頸管炎が疑われる場合は、病原微生物を調べるためおりものの鏡検(顕微鏡で拡大することで微生物の有無を確認するもの)、細菌培養検査(数日間かけて細菌を詳細に把握するもの)、ヒトパピローマウイルス検査、淋菌・クラミジア検査などが行われます。

加齢性、刺激性、アレルギー性など非感染性の原因は、これら感染性子宮頸管炎が否定されてから、問診と臨床経過を総合的に判断して診断されることが一般的です。

治療

治療方法は、感染の有無によって異なります。

感染性の場合

感染性の場合は、病原微生物に対する適切な抗生剤や抗ウイルス剤を投与することが基本的な治療となります。検査結果が出るまでは病原微生物の特定ができないため、はじめに処方された薬剤があまり効かないこともあります。

その場合には、検査結果によって特定された病原微生物に対して最も有効な治療薬に変更、または追加されることになります。

非感染性の場合

非感染性の場合には、原因によって対応が変わってきます。一般的に、加齢が原因の場合は、ホルモン剤の腟錠投与(診察時に必要性を判断します)、刺激が原因の場合には、原因となった化学物質や異物の除去や回避、アレルギー性では原因物質の除去や回避が行われます。

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