いしょせいにんしん

異所性妊娠

別名:子宮外妊娠

目次

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概要

子宮外妊娠(異所性妊娠)とは、「受精卵が子宮の内膜以外の場所に着床」した状態です。子宮内妊娠(正常妊娠)ではないため、治療が必要となることが多い病気です。

子宮外妊娠は、正確には「異所性妊娠」といいます。これは、子宮外妊娠が子宮の頸管で起こる頸管妊娠のケースもあるためです。そのため、子宮外妊娠という呼称は、実は適切ではありません。

子宮外妊娠のうち大半は「卵管妊娠」です。そのため、以降は卵管妊娠の解説をします。ほかのタイプの子宮外妊娠の場合、検査や治療法も異なるため、詳しくは病院を受診のうえ、医師から説明を受けてください。

原因

正常妊娠の場合は、卵管膨大部という場所で受精します。受精卵は6~7日かけて子宮のなかに移動し、着床します。なんらかの理由で、子宮のなかへ移動できずに、その場で着床してしまった状態が子宮外妊娠(卵管妊娠)です。クラミジアという性感染症に過去あるいは現在感染していたり、不妊治療によって、頻度が増加することがわかっています。

症状

子宮外妊娠では、お腹のなかで多量の出血を来すなど、重篤な状態を引き起こす可能性があります。さらに、発見や対応が遅れると、妊婦の命にもかかわる病気です。

そのため、症状の有無にかかわらず妊娠反応が陽性になった場合には、妊娠5~6週(月経周期が順調で28日周期の場合)に産婦人科を受診し、正常妊娠であるかをきちんと確認してもらうことが重要です。

検査・診断

いくつか方法はありますが、特に大切な検査は「hCG(妊娠反応検査)」と「エコー(経腟音波検査)」です。

エコー検査

子宮のなかに、「胎嚢(たいのう)」といわれる黒い袋がエコーでみえれば、正常妊娠と診断されます。正常妊娠の場合は、妊娠4週後半から5週前半で胎嚢がみえるようになります。妊娠4週前半ではエコー検査を行っても、ほとんどの人に胎嚢はみられません。

妊娠5週で胎嚢が見えない場合には、排卵が遅れていて実は「妊娠の初期」という可能性と「子宮外妊娠」の可能性があります。(※ただし、胞状奇胎という病気の可能性もあります。)

子宮外妊娠の好発部位は卵管なので、子宮外妊娠を疑った場合には、子宮の脇に胎嚢や血液が溜まっていないかエコーで確認します。

hCG検査

妊娠初期と子宮外妊娠のどちらなのかを判断するため、行なう検査が「hCG検査」です。hCGが1,000(IU/L)未満だと、子宮のなかに胎嚢がみえないことも多々あるため、この場合は妊娠初期でエコーではみえない可能性が考えられます。しかし、3,000(IU/L)という値であれば、通常子宮のなかに胎嚢がみえるはずなので、子宮外妊娠を強く疑います。(※例外的に、双子の場合や絨毛性疾患という病気の場合もあります)

そのほかにも、月経周期の情報、慎重な経過観察し、症状の有無によって、診断や治療方針が変わってきます。

治療

治療は、原則手術です。以前は、開腹手術がほとんどでしたが、現在では腹腔鏡下手術で行われることが多くなってきました。

ただし、お腹のなかで多量に出血している場合や、施設の設備によっては開腹手術が優先されることもあります。卵管妊娠の場合、卵管を切除する方法(卵管切除術)を選択することが一般的です。

一方、卵管を切除しない方法(卵管温存手術)も考慮されるようになってきました。ただし、安全に温存できる状態であるか、十分に検討する必要があり、術中の状態にもよるため、最終的に主治医が判断することになります。術後は、病理学検査で摘出した組織を詳しく調べ、問題がないか確認します。

たとえ、卵管妊娠をしていても、経過観察のみとなる場合もあります。また、手術ではなく、化学療法を行う症例もあります。今回は卵管妊娠を中心に説明をしましたが、治療についてはきちんと検査や診断を受けたうえで、今後の妊娠希望の有無なども踏まえ医師と十分に相談することが大切です。

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