ていけつあつ

低血圧

同義語
低血圧症
最終更新日:
2024年10月17日
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2024/10/17
更新しました
2017/04/25
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概要

低血圧とは、健康な状態に比べて血圧が低下した状態を指します。自覚症状がないこともありますが、立ちくらみ、めまい、失神、息切れや胸痛などの症状により日常生活に支障をきたすこともあります。

低血圧に明確な診断基準はありませんが、一般的には最高血圧(収縮期血圧)が100mmHg以下の場合が低血圧の目安となります。

原因

低血圧にはおおまかに、原因となる病気のない「本態性低血圧」、病気や薬が原因となる「症候性低血圧」、姿勢を変えたときに血圧が低下する「起立性低血圧」の3つのタイプがあります。

本態性低血圧

低血圧の多くがこのタイプです。特に原因となる病気は存在しませんが、血圧の低い状態が続きます。本態性低血圧の患者はやせ型の虚弱体質の方に多い傾向があります。また、遺伝的に低血圧になりやすい体質がみられることもあります。

症候性低血圧

病気や薬によって低血圧が引き起こされるタイプで、原因となる病気には心疾患不整脈心筋梗塞(しんきんこうそく)心不全など)、肺疾患(肺塞栓症(はいそくせんしょう))、自律神経障害(糖尿病パーキンソン病など)などが挙げられます。

薬においては一部の抗うつ薬、降圧薬(カルシウム拮抗薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、メチルドパ、クロニジンなど)、利尿薬(フロセミド、ヒドロクロロチアジドなど)などが原因になることがあります。

起立性低血圧

座った姿勢から立ち上がる、寝ている姿勢から起き上がるなど、急に姿勢を変えたときに血圧が低下します。通常は血圧の変化に応じて心臓や血管などがはたらき血圧が一定に保たれますが、変化に対応するはたらき(自律神経)の異常や血液量の低下などが原因となり、血圧の調整が機能しないことがあります。

起立性低血圧に似たものとして起立性調節障害というものがあります。起立性調節障害ではストレスや栄養不足などさまざまな原因により立ちくらみ、めまい、失神などの症状が現れますが、起立性低血圧はその主な原因の1つです。

自律神経:体の中や外の情報を感じ取り、交感神経や副交感神経などにより体温や血圧を調節するはたらきをもつ。

症状

低血圧の主な症状は、立ちくらみ、めまい、失神です。これは血圧が下がったときにまず体でもっとも高い位置にある脳への血液供給が減少するためで、特に立っているときに症状が出やすく、脳への血液供給が大きく減ると失神を起こします。

脳以外にも、体の各臓器、たとえば心臓の筋肉への血液供給が減少すれば、息切れや胸痛などの症状が出現します。

また、血圧が大きく低下し全身の臓器に血液が十分に行き渡らなくなることで、ショックという状態に陥ることがあります。ショックに陥ると、顔や手足が青白くなる、冷や汗、頻脈、虚脱(心臓のはたらきが弱くなる)、呼吸不全、昏睡(こんすい)などの症状が現れます。ショックは命に関わることも少なくないため、迅速な対応が必要となります。

検査・診断

血圧検査によって診断が行われます。明確な診断基準はありませんが、一般的に最高血圧(収縮期血圧)が100mmHg以下の場合に低血圧と診断されます。通常、検査では患者に横になってもらい血圧計で測定しますが、起立性低血圧の場合は横になった状態と立ち上がった後の血圧を比較し、その差をもとに診断されます。

低血圧の原因を特定するために、血液検査や心電図検査、心臓超音波検査などが行われることもあります。

治療

低血圧の治療は、低血圧の原因が判明していればその原因に対する治療を行います。生活上の取り組みによって低血圧を起こさないようにすることも大切です。

原因に対する治療

低血圧の原因には、心疾患、肺疾患、自律神経障害などさまざまものがあり、原因に応じて薬物療法などによる治療が行われます。

また、使用している薬が原因である場合には、薬を減らすあるいは他の薬に変更して対処し、低血圧そのものに対しては血圧を上げる昇圧薬などを用いて改善を図る場合があります。

生活上の取り組み

本態性低血圧と起立性低血圧においては、血圧を調整する自律神経がうまくはたらかないことで血圧が下がる場合が多いため、自律神経の状態を良好に保つ生活習慣を送ることが大切です。具体的には以下のような取り組みがあります。

  • 規則正しい生活リズムを送り、十分な睡眠をとる
  • 栄養バランスの取れた食事を摂る
  • 適度に水分を摂取し、過度な塩分制限を行わない
  • 適度な運動を行う 

など

また、起立性低血圧では、立っているときに足に血液が溜まることを防ぐために、タイツや弾性ストッキングを着用するのもよいでしょう。

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