原因
低血圧にはおおまかに、原因となる病気のない「本態性低血圧」、病気や薬が原因となる「症候性低血圧」、姿勢を変えたときに血圧が低下する「起立性低血圧」の3つのタイプがあります。
本態性低血圧
低血圧の多くがこのタイプです。特に原因となる病気は存在しませんが、血圧の低い状態が続きます。本態性低血圧の患者はやせ型の虚弱体質の方に多い傾向があります。また、遺伝的に低血圧になりやすい体質がみられることもあります。
症候性低血圧
病気や薬によって低血圧が引き起こされるタイプで、原因となる病気には心疾患(不整脈、心筋梗塞、心不全など)、肺疾患(肺塞栓症)、自律神経障害(糖尿病、パーキンソン病など)などが挙げられます。
薬においては一部の抗うつ薬、降圧薬(カルシウム拮抗薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、メチルドパ、クロニジンなど)、利尿薬(フロセミド、ヒドロクロロチアジドなど)などが原因になることがあります。
起立性低血圧
座った姿勢から立ち上がる、寝ている姿勢から起き上がるなど、急に姿勢を変えたときに血圧が低下します。通常は血圧の変化に応じて心臓や血管などがはたらき血圧が一定に保たれますが、変化に対応するはたらき(自律神経*)の異常や血液量の低下などが原因となり、血圧の調整が機能しないことがあります。
起立性低血圧に似たものとして起立性調節障害というものがあります。起立性調節障害ではストレスや栄養不足などさまざまな原因により立ちくらみ、めまい、失神などの症状が現れますが、起立性低血圧はその主な原因の1つです。
*自律神経:体の中や外の情報を感じ取り、交感神経や副交感神経などにより体温や血圧を調節するはたらきをもつ。
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