インタビュー

性器ヘルペスの症状-初感染時と再発時-

性器ヘルペスの症状-初感染時と再発時-
尾上 泰彦 先生

プライベートケアクリニック東京 院長

尾上 泰彦 先生

この記事の最終更新は2015年10月17日です。

 

性器ヘルペスとは、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)もしくは2型(HSV-2)の感染によって引き起こされる、神経のウイルス感染症です。

ヘルペスウイルスが性器に感染すると、性器周辺の神経から骨盤の中の神経節に移動して潜伏します。潜伏しているヘルペスウイルスは、過労や睡眠不足などのストレスが引き金となって、骨盤の神経節から神経をつたって性器にヘルペスとしての症状が出るようになります。これを性器ヘルペスの再発と呼びます。

性器ヘルペスは約80%が再発例で、初感染例は約20%と言われています。また、初感染は性感染症ですが、再発は性感染症ではありません。 今回は性器ヘルペスの症状について臨床経験豊富な尾上泰彦先生に教えていただきました。

約70%の方が無症状のまま経過しますが、症状が出る方は激しく症状が出ます。 感染の原因となる性交渉から2〜7日位してから症状があらわれます。単純ヘルペスウイルスにはⅠ型(HSV-1)とⅡ型(HSV-2)があり、口唇ヘルペスはⅠ型、性器ヘルペスはⅡ型が引き起こすことが多いです。初めてヘルペスウイルスに感染したときには激しい症状を呈しますが、再発はそれほど多くはありません。 男性の場合は、性器やお尻などの周辺部位に赤い腫れが生じたり、痛みやかゆみを伴う小さな水疱が左右対称に出現します。

この水泡はすぐに破けてただれた状態になります。激しい痛みを引き起こすことがあるので、水疱の破裂は歩行障害につながることもあります。また水疱の破裂以外にも、発熱や足の付け根のリンパ腺に腫れるといった症状が出る場合もあります。

女性が感染した場合も、男性とほぼ同様の症状があらわれます。症状があらわれるのは外性器の局所症状で、両側の大・小陰唇、腟やその周辺に多数の水泡やびらんが起こるほか、発熱や足の付け根のリンパ節が腫れる場合があります。こうした症状のほかに、尿が出なくなったり、排尿時に痛みが生じたりする膀胱炎症状も生じることがあるので注意が必要です。

性器ヘルペスから髄膜炎に派生していくこともあるので、女性は特に注意する必要があります。

検査時、子宮頸部にびらんを認めた例
亀頭部に生じたびらん

初感染時、骨盤の中の神経節に潜伏した単純ヘルペスウイルスは、肉体的・精神的な何かしらのストレスが引き金となって症状が再発します。この「再発を繰り返す」というのは、ヘルペスの大きな特徴のひとつです。 再発したヘルペスの症状は、初感染した時に比べると軽くはなります。ですが、症状が全くでないということではなく、痛みやかゆみなどの症状があらわれます。このとき水疱やただれなどは1~3個程度出現します。 また、受診する患者さんは再発による性器ヘルペスのケースであることがほとんどです。

再発時の水疱は検査で確認する前に潰れてしまうことが多い

 

上唇部に水疱が発生した例
受診について相談する
  • プライベートケアクリニック東京 院長

    尾上 泰彦 先生

「メディカルノート受診相談サービス」とは、メディカルノートにご協力いただいている医師への受診をサポートするサービスです。
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。
  • 受診予約の代行は含まれません。
  • 希望される医師の受診及び記事どおりの治療を保証するものではありません。

関連記事

  • もっと見る

    関連の医療相談が18件あります

    ※医療相談は、月額432円(消費税込)で提供しております。有料会員登録で月に何度でも相談可能です。

    「性器ヘルペス」を登録すると、新着の情報をお知らせします

    処理が完了できませんでした。時間を空けて再度お試しください

    「受診について相談する」とは?

    まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
    現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。

    • お客様がご相談される疾患について、クリニック/診療所など他の医療機関をすでに受診されていることを前提とします。
    • 受診の際には原則、紹介状をご用意ください。
    実績のある医師をチェック

    性器ヘルペス

    Icon unfold more