性器ヘルペスとは、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)もしくは2型(HSV-2)の感染によって引き起こされる、神経のウイルス感染症です。
ヘルペスウイルスが性器に感染すると、性器周辺の神経から骨盤の中の神経節に移動して潜伏します。潜伏しているヘルペスウイルスは、過労や睡眠不足などのストレスが引き金となって、骨盤の神経節から神経をつたって性器にヘルペスとしての症状が出るようになります。これを性器ヘルペスの再発と呼びます。
性器ヘルペスは約80%が再発例で、初感染例は約20%と言われています。また、初感染は性感染症ですが、再発は性感染症ではありません。 今回は性器ヘルペスの症状について臨床経験豊富な尾上泰彦先生に教えていただきました。
約70%の方が無症状のまま経過しますが、症状が出る方は激しく症状が出ます。 感染の原因となる性交渉から2〜7日位してから症状があらわれます。単純ヘルペスウイルスにはⅠ型(HSV-1)とⅡ型(HSV-2)があり、口唇ヘルペスはⅠ型、性器ヘルペスはⅡ型が引き起こすことが多いです。初めてヘルペスウイルスに感染したときには激しい症状を呈しますが、再発はそれほど多くはありません。 男性の場合は、性器やお尻などの周辺部位に赤い腫れが生じたり、痛みやかゆみを伴う小さな水疱が左右対称に出現します。
この水泡はすぐに破けてただれた状態になります。激しい痛みを引き起こすことがあるので、水疱の破裂は歩行障害につながることもあります。また水疱の破裂以外にも、発熱や足の付け根のリンパ腺に腫れるといった症状が出る場合もあります。
女性が感染した場合も、男性とほぼ同様の症状があらわれます。症状があらわれるのは外性器の局所症状で、両側の大・小陰唇、腟やその周辺に多数の水泡やびらんが起こるほか、発熱や足の付け根のリンパ節が腫れる場合があります。こうした症状のほかに、尿が出なくなったり、排尿時に痛みが生じたりする膀胱炎症状も生じることがあるので注意が必要です。
性器ヘルペスから髄膜炎に派生していくこともあるので、女性は特に注意する必要があります。
初感染時、骨盤の中の神経節に潜伏した単純ヘルペスウイルスは、肉体的・精神的な何かしらのストレスが引き金となって症状が再発します。この「再発を繰り返す」というのは、ヘルペスの大きな特徴のひとつです。 再発したヘルペスの症状は、初感染した時に比べると軽くはなります。ですが、症状が全くでないということではなく、痛みやかゆみなどの症状があらわれます。このとき水疱やただれなどは1~3個程度出現します。 また、受診する患者さんは再発による性器ヘルペスのケースであることがほとんどです。
プライベートケアクリニック東京 院長
尾上 泰彦 先生の所属医療機関
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性器ヘルペス
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