せいきへるぺす

性器ヘルペス

最終更新日:
2023年06月30日
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2023/06/30
更新しました
2023/03/24
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概要

性器ヘルペスとは、単純ヘルペスウイルスが性器に感染することで引き起こされる病気です。単純ヘルペスウイルスは体のあらゆる部位に感染する可能性がありますが、性器に感染したものを“性器ヘルペス”といいます。

主な感染経路は、単純ヘルペスウイルスの感染者との性的接触です。ただし感染していても症状が出ない場合や、無症状でもほかの人に感染させる場合があるため、感染を広げる原因となっています。また、単純ヘルペスウイルスは一度感染すると“神経節”と呼ばれる部位に潜伏感染し、症状が治まっても何らかの刺激によりウイルスが再活性して、再発を繰り返すことが知られています。

主な症状は、性器やその周辺の水疱(すいほう)やただれなどです。特に、単純ヘルペスウイルスへの感染が初めての場合は、再発時に比べて症状が重くなる傾向があり、高熱などの全身症状が現れることもあります。

性器ヘルペスと診断される人は男性よりも女性の方が多く、2005~2006年頃をピークに減少していましたが、近年再び増加傾向にあります(2023年3月時点)。

原因

性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスが性器に感染することで起こり、主に思春期以降の性行為によって感染します。

単純ヘルペスウイルスには1型と2型があり、性器ヘルペスの原因の多くは2型です。ただし、口唇ヘルペスなどに多い1型が口腔性交(オーラルセックス)などで性器に感染することもあります。

発症のメカニズム

性器ヘルペスは、性行為中に単純ヘルペスウイルスが皮膚粘膜から入り込むことをきっかけに発症します。皮膚粘膜から入り込んだ単純ヘルペスウイルスは皮膚粘膜内で増殖して感染を引き起こすことによって、陰部を中心とした皮膚症状を起こします。感染から発症までの潜伏期間は、およそ2~10日程度です。

また、皮膚粘膜から入り込んだ単純ヘルペスウイルスは知覚神経からも取り込まれ、神経節内で増殖し、潜伏感染することが知られています。そのため一度皮膚症状が治った後も感染状態は続いており、体調を崩した際などに単純ヘルペスウイルスが再活性化し、再び何らかの皮膚粘膜症状を引き起こす可能性があります。

症状

性器ヘルペスの症状は、初感染か再発か、また男性か女性かによって異なります。

男性の症状

主に亀頭や陰茎体部にかゆみを伴った複数の水疱が現れます。肛門性交(こうもんせいこう)を行った場合は、肛門周囲や直腸粘膜に病変が現れることもあります。症状は単純ヘルペスウイルスへの初感染時がもっとも強く、感染機会をもってから2~10日後に病変が現れ始め、発症から3~5日程度で水疱同士が合体して痛みを伴った潰瘍(かいよう)となり、発症から1週間程度で症状のピークを迎えます。

初感染で症状が現れないこともあり、ウイルスの再活性時に初めて症状が現れた場合(非初感染初発)や再発時は初感染初発よりも症状が軽く、治癒までの期間も短いことが多いです。

女性の症状

初感染初発時では症状が強く現れることが多く、感染機会から2~10日後に38℃以上の発熱と大陰唇、小陰唇、腟前庭部、会陰部付近に潰瘍性または水疱性の病変が現れます。性器周辺の病変は左右対称のことが多く、時には子宮腟部、子宮頸管(しきゅうけいかん)膀胱(ぼうこう)まで広がることもあります。

痛みが強く、排尿や歩行に支障をきたすこともあります。また、足の付け根のリンパ節が腫れ、押すと痛みを感じる症状も多くみられます。

まれに髄膜炎(ずいまくえん)を合併することもあり、強い頭痛や項部硬直と呼ばれる症状がみられます。これらの症状は無治療でも2~4週間程度で改善しますが、髄膜炎に伴って尿が出なくなります(尿閉)。さらに尿意を感じない神経因性膀胱に進行した場合は入院でのカテーテル治療が必要となるケースがあります。この状態をエルスバーグ症候群と呼びます。

非初感染初発や再発の場合は、男性と同様に初感染時よりも症状が軽く、治癒までの期間も短いことが一般的です。

なお、女性は男性と比較して性器ヘルペスに感染しやすいという報告があります。これは女性器の構造上、性器の粘膜部分が広範囲であり、感染者と性行為を行った際に男性から女性に感染する確率が女性から男性に感染する確率よりも4倍以上高いと考えられているためです。また、女性は黄体ホルモンのはたらきにより免疫能力が低下する時期があり、特に妊娠中や排卵後は免疫機能の変化に伴って単純ヘルペスウイルスに感染しやすいと考えられています。

検査・診断

病変部から検体を採取し、ウイルスを直接分離するか、ウイルス抗原を検出することで確定診断を行うことができます。

ほかにも血液検査は、単純ヘルペスウイルスに初感染した場合であれば、抗体が検出できることがあるため診断に役立つ場合があります。しかし、感染して間もない頃や非初感染初発時、再発時には抗体が検出されないため、全てのケースで確実な診断方法ではありません。

また、性器ヘルペス以外のヘルペスウイルス感染症でも抗体が検出されることがあるため、あくまで診断の補助として用いられます。

治療

性器ヘルペスは、一般的には無治療でも2~4週間程度で症状が改善しますが、抗ヘルペスウイルス薬を使用することで治癒までの期間を早めることができるといわれています。抗ヘルペスウイルス薬は錠剤と点滴薬があり、症状が比較的軽い場合は錠剤での治療が可能です。しかし、重症の場合や免疫機能が低下している場合は、点滴薬による治療が必要になることもあります。

単純ヘルペスウイルスは、症状が治まった後も神経節に潜伏感染します。抗ヘルペスウイルス薬は、この潜伏感染したウイルスを排除することはできないため、治療を行っても再発を完璧に防ぐことはできません。ただし、再発時は患部にピリピリとした痛みや違和感を覚えることがあり、このタイミングで抗ヘルペスウイルス薬を使用すると病変の発生を予防できることもあります。

再発の頻度が高い場合には、抗ヘルペスウイルス薬を継続服用し、再発を予防する治療が行われることもあります。この場合は、抗ヘルペスウイルス薬の錠剤を1日1回または2回継続服用します。

また、性器ヘルペスの新しい治療法としてPIT(Patient Initiated Therapy)療法があります。PIT療法とは、性器ヘルペスが再発して初期症状が現れた際に患者自身が判断して服用できるよう、あらかじめアメナメビルなどの抗ヘルペス薬を処方しておくものです。早期に対処できるため症状が悪化しづらくなる点や、患者の利便性が高まる点がメリットとして挙げられます。

予防

単純ヘルペスウイルスに感染している相手との性的接触を避けることが、性器ヘルペスの予防につながります。

ただし、単純ヘルペスウイルスは無症状であっても感染することがあるため、症状の有無だけで感染の可能性を判断することは困難です。そのため、症状の有無にかかわらず、性交渉を行う際はコンドームを使用することが大切です。

しかし、病変が大腿部(だいたいぶ)や肛門などの広範囲に広がっている場合は、コンドームを使用したとしても防ぎきれないこともあります。

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