しんけいいんせいぼうこう

神経因性膀胱

最終更新日:
2023年08月02日
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2023/08/02
更新しました
2017/04/25
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概要

神経因性膀胱とは、神経の異常により膀胱の機能に障害をきたす病気の総称です。

膀胱や尿道のはたらきは、脳、脊髄(せきずい)末梢(まっしょう)神経などの神経系によって調整されており、それらが正常に機能することで膀胱に尿をためたり、尿がたまったら尿意を感じたりすることができます。しかし、このいずれかの神経が病気によって障害されると、尿をためたり尿意を感じたりすることができなくなります。

原因

神経因性膀胱は、膀胱のはたらきを調整する神経が障害をきたすことによって生じます。

原因となる病気には脳卒中、アルツハイマー病、パーキンソン病外傷脊髄損傷多発性硬化症腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニア糖尿病などさまざまです。

ほかにも、直腸がん子宮がんの手術後に末梢神経に障害をきたすことで発症することがあります。

症状

神経因性膀胱の症状は、神経が障害される病気によって異なります。

神経が障害されて排尿の反射(尿道を緩めて膀胱を収縮させること)を抑えられなくなると、尿がたまっていないにもかかわらず、膀胱が勝手に収縮して尿意を感じたり、頻尿になったりします。急に我慢できないような強い尿意を感じて、トイレまで間に合わずに失禁してしまったりすることもあります。また、排尿の反射がうまく起こらなくなると、膀胱内に尿がたまっていても尿意が起きにくかったり尿が少ししか出なかったりします。また、排尿時にいきみを要したり、残尿感が生じたりすることもあります。

検査・診断

神経因性膀胱の診断では、問診や身体診察、尿検査、膀胱や尿路の機能を調べる検査などが行われます。

問診や身体診察では、排尿障害に関連する症状のほか、これまでに発症したことがある病気や受けたことがある手術、神経に関係する病気の兆候の有無などを確認します。

検査には腎機能を調べるための血液検査や排尿後に膀胱内に残った尿量を測定する検査、腎臓から膀胱までの尿路を超音波で調べる検査、膀胱内の圧を調べる検査、造影剤を使用した画像検査などがあり、患者の状態に合わせて行われます。

治療

神経因性膀胱の治療は、症状の改善のほか腎機能の維持や尿路感染の予防などを目的に行われます。

症状に応じてさまざまな治療法がありますが、膀胱内に尿をためることができない“蓄尿障害”と尿をスムーズに排泄できない“排尿障害”とで、以下のような治療があります。

蓄尿障害に対する治療

蓄尿障害の症状に対しては、膀胱の収縮を抑える薬剤を使用するほか、干渉低周波治療、仙骨神経刺激治療、骨盤底筋訓練、膀胱訓練などが行われます。また、症状によっては、膀胱を拡大する手術や人工尿道括約筋を埋め込む手術などが行われることもあります。

排尿障害に対する治療

排尿障害の症状に対しては、医師の指導や管理のもと、自分で尿道口から膀胱にカテーテルを挿入し、尿を排出する“清潔間欠自己導尿”という治療法があります。膀胱の収縮を強める薬剤が使われることもあります。

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