インタビュー

梅毒ってなに?

梅毒ってなに?
尾上 泰彦 先生

プライベートケアクリニック東京 院長

尾上 泰彦 先生

性感染症は、ほかの病気にくらべ受診にためらいが生じてしまいがちだと言われています。性感染症全体の患者数自体は減りつつある一方、この数年で急増している性感染症のひとつに梅毒があります。感染によってあらわれる症状や治療方法など、梅毒には知名度のわりに知られていないこともたくさんあります。梅毒とはどのような病気なのでしょうか。不安を感じた時にはどの科を受診すればよいのでしょうか。豊富な臨床経験をお持ちの尾上泰彦先生に伺いました。

梅毒判定と治療方法

梅毒の感染は血液検査によって判定されます。感染してすぐの状態では判定結果が正しく出せません。感染機会から早ければ3週間、可能ならば6週間以上経過してからの検査が望ましいとされています。梅毒の治療は抗生物質の服用によって行われ8週間ないし12週間の服用後の血液検査によって治癒したかどうかの判定が下されます。性交渉が可能となるのは、治療が終わった後からです。

性感染症の感染が分かったときには、パートナーの検査も推奨されています。

近年の梅毒患者数の変化

厚生労働省によると、1999年に751件(※1)報告された梅毒患者は2003年には509件と減少傾向にありましたが、2013年に1000件を突破し1228件、2014年には1683件と増加の一途をたどっています。最少期と現在の患者数に3倍もの差があることを考えると、いかに梅毒が流行しているかという事がお分かりいただけるかと思います。(※2)

(※1)開始年の1999年のみ4月から12月の報告

(※2)2015年3月現在。性感染症報告数(厚生労働省)より引用。

梅毒の患者が増加した原因としては、若年層間での性交渉が盛んになったこと、性産業の多様化、不特定多数間での性交渉、MSM(男性間性交渉者。Men who have sex with men)間での性交渉の増加が背景にあると考えられています。

梅毒の大半は性交渉により感染しますが、梅毒トレポネーマは胎盤を通じて胎児にも感染します。このようなケースは先天梅毒と呼ばれており、胎児が妊娠早期に感染した場合は死産・早産の原因になるといわれています。先天梅毒は、たとえ患児が無症状であったとしても疾患が生涯にわたり潜伏するため、成長する段階で何らかの症状を引きおこすことがあります。 

梅毒かも と不安を感じたら

(男性)性感染症科(性病科)・泌尿器科・皮膚科

(女性)性感染症科(性病科)・婦人科・皮膚科

性感染症を専門としている性感染症科以外にも、性器を扱う泌尿器科や婦人科、皮膚科といった分野の病院でも診察可能です。

感染してもすぐに症状が出ないことや、第1期の症状は自然に消失してしまうために放置されがちです。気になる症状が出たときには、近くの専門医を受診しましょう。

梅毒は治らない病気ではない

梅毒に対する治療方法が確立していなかった時代では、梅毒は死に直結する「不治の病」として恐れられていましたが、抗生物質の誕生による治療方法の確立により早期発見・治療によって梅毒は「治る病気」となりました。

何よりも大切なのは、梅毒に感染しないようにこころがけることです。感染初期には症状が出ないため、知らないうちに他人に移してしまうケースが多く、また梅毒を疑う自覚症状が出たとしても受診に対してためらいが生じてしまうことも考えられます。

性感染症の多くは、早期治療をすることができれば完治するものが多いと言われています。不安な行為があった際にはそのまま放置せず、必ず専門医の診察を受けるなど早期の対策をしましょう。

 

性感染症の再発防止に関して、尾上泰彦先生からのメッセージをいただきました。

性感染症の再発防止:尾上泰彦先生から患者さんへのメッセージ

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