くらみじあかんせんしょう

クラミジア感染症

最終更新日:
2021年12月10日
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2021/12/10
更新しました
2017/04/25
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概要

クラミジア感染症は、クラミジアという細菌により引き起こされる感染症の1つです。特に性行為によって感染する“性器クラミジア感染症”が多く、数ある性感染症の中では、日本でもっともよくみられる病気といわれます。そのほか、感染した母親から出生児に産道感染することもあります。なお性器だけでなく、咽頭(いんとう)や目、肺に感染することもあります。

性器クラミジア感染症の場合、男性では尿道炎による排尿痛などの自覚症状がみられることが一般的です。一方、女性は無症状である場合が多く、症状があっても軽微のことが多いため、早期の発見が難しい病気です。男女比をみると女性の患者が多く、女性の場合は治療せずに放置してしまうと子宮外妊娠不妊症につながるリスクがあります。

種類

クラミジアには、トラコーマ・クラミジア、オウム病クラミジア、肺炎クラミジア、クラミジア・ペコルムの4種類があります。このうち人間に感染症を引き起こすことが認められているのは、クラミジア・ペコルム以外の3種類です。

原因

クラミジア感染症は、クラミジアという細菌に感染することによって引き起こされます。性器クラミジア感染症の場合、性的接触により精液、腟分泌液、血液、唾液といった体液を介して感染します。通常の腟性交による性器感染に加えて、口腔性交(こうくうせいこう)(オーラルセックス)による咽頭感染、肛門性交(こうもんせいこう)(アナルセックス)による直腸感染といった経路も挙げられます。

クラミジアは感染しても無症状の場合が多いため、気がつかずにパートナーにうつす、うつされる状態を繰り返す“ピンポン感染”が多く認められます。また、コンドームが適切に使用されていない場合や不特定多数の方との性的接触がある場合には、感染のリスクが高くなるといえます。

さらに、手に分泌物が付着したまま目をこするなどして、目の結膜が感染する場合もあります。目に感染すると、鼻涙管(びるいかん)(目と鼻をつなぐ管)を通じて咽頭感染が引き起こされることがあります。さらに妊婦の方が感染している場合、出産時に産道で赤ちゃんが感染してしまう(産道感染)危険性があります。

症状

女性

性器クラミジア感染症の場合、自覚症状なく経過することが一般的です。自覚症状はなくても、子宮頸管炎(しきゅうけいかんえん)子宮内膜炎、卵管炎、骨盤内炎症性疾患、肝周囲炎など広範囲の炎症を引き起こすことがあります。

また感染者が妊娠した場合、子宮外妊娠や不妊、流産早産などの原因となることがあるほか、出産の際、出生児にクラミジアが感染してしまうこともあります。

男性

性器クラミジア感染症の場合、2〜3週間の潜伏期間の後に尿道炎を引き起こし、排尿痛や尿道の不快感、かゆみなどの自覚症状が現れることが一般的です。症状は軽く、自覚がない方もいます。

その他

そのほか、喉に感染した場合には首のリンパ節の腫れなどの症状がみられます。また産道感染の場合には、出生児に肺炎結膜炎を引き起こすこともあります。

検査・診断

遺伝子学的検査

性器クラミジア感染症の場合、患者の尿や子宮頸部から採取した分泌物などをもとに検査を行い、病原体そのものや病原体の遺伝子、病原体に対する抗原の有無を確認します。

血清検査

血液検査によって病原体の抗体の有無を調べる検査です。

治療

クラミジア感染症の治療には、抗菌薬を使用します。抗菌薬は、マクロライド系抗菌薬またはニューキノロン系抗菌薬のうち、クラミジアに対して抗菌力のあるものを服薬します。 また性器クラミジア感染症の場合、パートナーにも感染している可能性が高いため、自身が治療すると同時にパートナーの治療も必要となります。

予防

性器クラミジア感染症の予防のためには、性交渉の際にコンドームを適切に使用することが大切です。これは、気付かないうちに他者にうつす、うつされる状態を繰り返す“ピンポン感染”の予防にもつながります。また不特定多数との性行為を控えるなど、いわゆる“セーフティーセックス”を心がけることが大切です。

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