インタビュー

クラミジア肺炎のはなし

クラミジア肺炎のはなし
尾上 泰彦 先生

プライベートケアクリニック東京 院長

尾上 泰彦 先生

この記事の最終更新は2015年10月17日です。

クラミジア肺炎とは、クラミジアによる肺炎のことを言います。クラミジアと名がつく肺炎には、以下の3つがあります。

  • Chlamydia trachomatis(トラコーマ・クラミジア)
  • Chlamydia pneumonia(肺炎クラミジア)
  • Chlamydia psittaci(オウム病クラミジア)

この3種類のうち「オウム病クラミジア」は鳥類との接触が原因で起こり、原因となる菌や感染後の対応などにおいても他の2つとは異なるものです。そのため感染症法では、「トラコーマ・クラミジア」と「肺炎クラミジア」をまとめて「クラミジア肺炎」と定めています。

ほとんどの場合、1歳以下で発症を引き起こします。

新生児にクラミジアが感染することがありますが、これは分娩時にクラミジア性子宮頸管炎を発症している母親の産道を通った際に感染する「垂直感染」によっておこるものです。

すでに肺炎クラミジアに感染していた人の咳やくしゃみなどの「飛沫感染」が原因となります。

1歳以下の場合、通常熱はありません。呼吸器に痰が絡む咳や、ヒューヒューやゼイゼイといった喘鳴(ぜんめい)などの症状が出ます。一般的に、低出生体重児などが感染すると重症化するといわれています。

長引く乾いた咳が特徴です。38℃以上の高熱が出るケースは少ないといわれています。

肺炎クラミジアの場合、症状が軽い場合は感染に気づかずに自然に治る場合もあります。しかしその一方で、高齢者や免疫機能が低下している方では重症化することもあるので注意が必要です。

クラミジア肺炎の検査では、胸部のレントゲン検査と血液検査を行います。診断には、抗体化測定法を用います。

治療に使用される薬は、基本的にクラミジア感染症と同じです。抗菌薬の投薬期間は10~14日間で、主にマクロライド系抗菌薬、ニューキノロン系抗菌薬、テトラサイクリン系抗菌薬が使用されます。

咳や鼻水などの症状が激しい時には、対症療法として咳や鼻水を抑える薬を併用します。このときに、マクロライド系抗菌薬と喘息の治療薬である「テオフィリン」との併用には注意する必要があります。

新生児や乳児の場合、テトラサイクリン系抗菌薬は歯が黄色くなる原因となるほかに、骨の発達に影響を与える可能性があります。そのため子どもの治療には、マクロライド系の使用とロスロマイシン系の抗菌薬の注射を行うのがよいとされています。予後は通常は良好ですが、高齢者や免疫が低下している方の場合、症状が重症化することもあります。

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