おうたいきのうふぜん

黄体機能不全

卵巣

目次

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概要

黄体機能不全とは、排卵後にできる黄体から十分なホルモン分泌がなされず、子宮内膜の分泌性変化が起こらない状態をいいます。

黄体とは、排卵後に空になった卵胞が、ホルモンを作る組織へと変化した組織です。肉眼的にも黄色にみえるため、黄体という名で呼ばれています。黄体は主に分泌期(高温期)のプロゲステロン分泌に重要な役割を果たします。このプロゲステロンは、妊娠維持にとって非常に重要なホルモンです。

黄体機能不全は、月経周期の短縮、黄体期の不正性器出血、不妊症、習慣流産の原因となります。

原因

詳しい原因は現時点ではわかっていませんが、以下のような要因が関係していると推測されています。

神経内分泌的要因

卵胞刺激ホルモン(FSH)や黄体化ホルモン(LH)、性腺刺激ホルモン(GnRH)の分泌不全が黄体機能不全の原因になると推測されています。また、脳下垂体前葉から分泌されるプロラクチンが過剰に分泌される高プロラクチン血症も、黄体機能不全の原因になるとされています。

卵巣要因

成熟卵胞のもとになる未成熟な卵胞の減少や、黄体の材料となる顆粒膜細胞の成熟不全が原因になるといわれています。また、黄体が早くその機能を終えてしまう「黄体の退行の加速」なども指摘されています。

子宮要因

子宮側のホルモン受容体の異常などが、黄体機能不全の原因となっている可能性も指摘されています。子宮には黄体で作られたプロゲステロンを受け取る受容体がありますが、その数や機能に異常がある場合、黄体機能不全が起こります。また子宮内膜の炎症なども、黄体からの刺激が子宮に正しく伝わらない因子となる可能性があります。

このほか、ストレスや肥満、痩せ、甲状腺機能異常なども、黄体機能不全を引き起こしうると考えられています。

症状

子宮内膜の分泌性変化が起こらなくなります。これにより、月経周期の短縮、黄体期の不正性器出血、不妊症や習慣性流産などが起こります。

検査・診断

ホルモン値の測定

黄体期中期に採血を行います。血中プロゲステロン値が10ng/mL未満である場合、黄体機能不全の可能性があります。ただし、一度の検査のみで診断を確定することは難しく、検査で異常値が出たら、再度別の月経周期に検査を行うこともあります。

基礎体温記録の確認(高温相が短い)

高温期が10日未満のときは、黄体機能不全の可能性が考えられます。黄体ができてプロゲステロンが分泌されると、脳の視床下部の温度中枢が体温を上昇させます。基礎体温を記録することによって、この温度変化を確認し、低温期と高温期を確認することができます。

治療

黄体機能不全の治療には以下のような方法があります。

黄体ホルモン補充療法

排卵後のタイミングから黄体ホルモンを連日投与します。プロゲステロン作用を持つ内服薬を使用するほか、注射製剤でも補うことが可能です。

黄体賦活化(刺激)療法

黄体を刺激するhCGの注射投与により、黄体機能を改善させます。このほか、高プロラクチンであればドパミン作動薬療法などが選択されます。

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