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ましん

麻疹

別名
はしか
最終更新日
2021年04月14日
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2021/04/14
更新しました
2017/04/25
掲載しました。

概要

麻疹(ましん)とは、一般的に“はしか”とも呼ばれ、麻疹ウイルスに感染することによって引き起こされる病気のことです。一度麻疹ウイルスに感染したり予防接種を受けたりすると免疫ができるため麻疹を発症することはないとされています。

しかし、初めて感染した場合や免疫がなくなった場合などは38℃前後の発熱、喉の痛み、咳、目の充血など“風邪”のような症状が現れ、一度熱が下がった後に再び高熱が出るとともに全身に発疹(ほっしん)が広がっていくのが特徴です。

重症化すると肺炎脳炎など重篤な合併症を引き起こすこともあり、乳幼児などでは命を落とすケースもあります。そのため、日本では“1歳児”と“小学校入学前1年間の幼児期”に1回ずつワクチン接種をすることが定期化されています。

原因

麻疹は麻疹ウイルスに感染することによって引き起こされます。

麻疹ウイルスは空気感染・飛沫感染・接触感染などさまざまな感染経路を持ち、非常に感染力が強いのが特徴です。特に空気感染は一般的な手洗いやマスク着用などの感染対策では予防することができず、感染者と同じ空間にいるだけで感染するリスクが生じます。そのため、公共施設や学校などでの集団感染が起こるケースも珍しくありません。

症状

麻疹は麻疹ウイルスに対して抗体(病原体を攻撃するタンパク質)を持たない人が感染すると次のような症状が引き起こされます。

まず、麻疹ウイルスに感染すると10~12日間の潜伏期を経た後に38℃前後の発熱が2~4日間ほど続き、体のだるさ、喉の痛み、鼻水、咳、充血、目やになどの症状が現れます。

その後いったん熱は下がるものの、半日程度で39℃前後の高熱が現れ、おでこ、耳の後ろ、首などに赤い発疹ができて2日ほどで全身に広がっていきます。この時期には上述したいわゆる“風邪症状”はさらに悪化していきますが、3~4日間すると徐々に熱が下がっていき、さまざまな症状も改善していくのが特徴です。

このように、麻疹は通常であれば発症から7~10日間で回復しますが、重症化すると肺炎脳炎などを引き起こすケースもあり、別の細菌感染による中耳炎などを同時に発症することも少なくありません。

また、一般的に小児期にかかったときの症状よりも、成人になってからかかったほうが、より症状が重くなるといわれています。

検査・診断

麻疹が疑われる際には、確定診断を下すため、重症度を評価するために次のような検査が必要に応じて行われます。

(1)血液検査

麻疹ウイルスに対する抗体の有無を調べるための血液検査は麻疹の確定診断に必要な検査の1つです。麻疹ウイルスに感染した直後に増える“IgM”と呼ばれる抗体や“IgG”と呼ばれる抗体の量を測定します。

また、そのほかに炎症や脱水の有無などの全身状態を確認する目的で血液検査をするケースもあります。

(2)ウイルスやウイルス遺伝子の検出

血液、咽頭拭(いんとうぬぐ)(えき)(鼻の奥を綿棒で擦って採取する粘液)、髄液、尿などに麻疹ウイルスや麻疹ウイルスの遺伝子が存在するかどうかを調べる検査が行われます。もっとも確定診断に適した検査とされています。

(3)画像検査

肺炎脳炎などの重篤な合併症が疑われる場合は、疑われる合併症の種類に応じてX線、CT、MRIなどを用いた画像検査が行われることがあります。

なお麻疹は症状のみから疑うことができ、必ずしも(1)、(2)などの検査で麻疹ウイルスが感染したことを確認しなければならないわけではありません。ただし、麻疹は全例が国への届出の対象となっているため、麻疹を疑った医師は保健所と連携して診断します。その際には、ほぼ全例で何らかの検査が行われます。(麻疹患者との接触が明らかで臨床診断できる場合は臨床診断で届出を行います。)

また、近年は麻疹の典型的な症状が出現しない“修飾麻疹”が時々見られます。これは、予防接種後に免疫がうまく獲得できなかったり、周囲に麻疹の流行がなかったりしたために強い免疫が維持できていない状態で麻疹にかかり、典型的な症状が出現しない状態です。海外への渡航後や、周囲に麻疹の流行がありワクチン接種が1回の状態で、発熱、発疹などが出現したら、麻疹の可能性も考えて医療機関で確認をしてもらうことも考えましょう。

治療

麻疹ウイルスに対する抗ウイルス薬は存在しないため、治療は発熱に対する解熱剤、喉の痛みに対する鎮痛剤などの薬物療法、高熱などによる脱水に対する点滴治療などの対処療法が主体となります。

また、別の細菌感染による肺炎中耳炎を合併した場合は抗菌薬の投与が行われ、重症化した場合は入院したうえで酸素投与などの呼吸管理が必要になるケースもあります。

予防

麻疹は重篤な合併症を引き起こすことがあり、さらに麻疹ウイルスは非常に感染力が強いため注意しなければならない感染症の1つです。

現在、日本では1歳児と小学校入学前1年間の幼児期の2回にわたるワクチンの接種が予防接種法で定期接種として定められています。なお、ワクチン1回接種では免疫ができる確率は93~95%以上、2回接種では97~99%以上との報告があります。2015年にWHOによって日本は麻疹排除状態(野生株がいない状態)にあると認定されました。日本での麻疹の流行は基本的には海外からの輸入感染症であると考えられますが、排除状態を維持するためにも予防接種は必要です。

そのほか、麻疹ウイルスは空気感染、飛沫感染、接触感染によって感染します。そのため、感染者がいる場合はできるだけ同じ空間を共有しないように注意し、地域で麻疹が流行している場合は人ごみに出歩かないなどの対策も必要です。また、空気感染を防ぐことはできませんが、手洗い、手指消毒、マスク着用などの基本的な感染対策も行うようにしましょう。

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