検査・診断
麻疹が疑われる際には、確定診断を下すため、重症度を評価するために次のような検査が必要に応じて行われます。
(1)血液検査
麻疹ウイルスに対する抗体の有無を調べるための血液検査は麻疹の確定診断に必要な検査の1つです。麻疹ウイルスに感染した直後に増える“IgM”と呼ばれる抗体や“IgG”と呼ばれる抗体の量を測定します。
また、そのほかに炎症や脱水の有無などの全身状態を確認する目的で血液検査をするケースもあります。
(2)ウイルスやウイルス遺伝子の検出
血液、咽頭拭い液(鼻の奥を綿棒で擦って採取する粘液)、髄液、尿などに麻疹ウイルスや麻疹ウイルスの遺伝子が存在するかどうかを調べる検査が行われます。もっとも確定診断に適した検査とされています。
(3)画像検査
肺炎や脳炎などの重篤な合併症が疑われる場合は、疑われる合併症の種類に応じてX線、CT、MRIなどを用いた画像検査が行われることがあります。
なお麻疹は症状のみから疑うことができ、必ずしも(1)、(2)などの検査で麻疹ウイルスが感染したことを確認しなければならないわけではありません。ただし、麻疹は全例が国への届出の対象となっているため、麻疹を疑った医師は保健所と連携して診断します。その際には、ほぼ全例で何らかの検査が行われます。(麻疹患者との接触が明らかで臨床診断できる場合は臨床診断で届出を行います。)
また、近年は麻疹の典型的な症状が出現しない“修飾麻疹”が時々見られます。これは、予防接種後に免疫がうまく獲得できなかったり、周囲に麻疹の流行がなかったりしたために強い免疫が維持できていない状態で麻疹にかかり、典型的な症状が出現しない状態です。海外への渡航後や、周囲に麻疹の流行がありワクチン接種が1回の状態で、発熱、発疹などが出現したら、麻疹の可能性も考えて医療機関で確認をしてもらうことも考えましょう。
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