けるすすとくそう

ケルスス禿瘡

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

ケルスス禿瘡(とくそう)とは、頭部白癬の経過中に化性炎症を伴ったもので脱毛を認めます。激しい化膿性炎症を皮膚に引き起きおこし、多発する膿疱(のうほう)が特徴的です。炎症の強い例では痛みを伴うこともあります。

重症化すると病変部の隆起やリンパ節腫脹、不可逆性の瘢痕性(はんこんせい)脱毛斑を残すため、早期に治療することが重要です。80%が10歳以下の小児であり、1~5歳が約半数を占めるとされています。

原因

ヒトと動物に共通に感染する真菌が原因で起こるものがあります。感染源としてはネコ、イヌなどが多くこれらの動物との接触により感染します。そのためこれらの動物との接触の有無を確認することが大切です。ほかにも柔道やレスリング等のコンタクトスポーツによって感染した報告もあります。

そして頭部湿疹と診断され、ステロイド剤の外用により頭部浅在性白癬からケルスス禿瘡に至るケースもみられます。ステロイド剤の外用でなかなか症状がよくならない場合は、頭部白癬の可能性も考える必要があります。
 

症状

真菌の侵入により皮膚に激しい化性炎症を引き起こします。膿疱やかさぶたを生じ、皮膚が赤く腫れ、簡単に毛が抜けるため脱毛斑をきたします。炎症の強い例では痛みを伴ったり、首のリンパ節が腫れたり、発熱・倦怠感などの全身症状を伴うこともあります。重症化すると不可逆性の瘢痕性脱毛斑を残すことがあります。

検査・診断

病変部の皮疹や抜毛された毛髪を顕微鏡で調べて診断します。顕微鏡で確認されない場合はSabouraud(サブロー)ブドウ糖寒天培地にて培養を行うこともあります。ステロイド剤の外用でなかなか症状がよくならない頭部の湿疹は、ケルスス禿瘡の可能性も考え真菌検査を行うことが重要です。

治療

頭部白癬の治療は原則として抗真菌薬の内服を行います。外用抗菌薬の使用は効果が乏しく、また病変をかえって悪化させる可能性があるため、行いません。

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