じあのってぃびょう

ジアノッティ病

同義語
Gianotti病
最終更新日:
2024年10月22日
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2024/10/22
更新しました
2017/04/25
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概要

ジアノッティ病とは、B型肝炎ウイルス(HBV)に初めて感染した後、顔や手足を中心に特徴的な皮疹が生じる病気です。

この病気が発見された当初は、B型肝炎ウイルスが原因の病気として報告されていましたが、その後にEBウイルス、RSウイルス、サイトメガロウイルス、コクサッキーウイルス、ロタウイルスなどさまざまなウイルスの初感染後でも同様の皮膚症状を示す例が報告されました。現在では、B型肝炎ウイルスも含めた種々のウイルス感染に関連して生じるものを“ジアノッティ症候群”と呼んでいます。

ジアノッティ病は0~3歳の乳幼児に多く、皮疹は手足の末端から始まり徐々に太ももや腕、顔へと拡大していくのが特徴です。また、肝臓が腫れて肝機能が悪化することがあります。

現在はB型肝炎ウイルスワクチンの普及や献血の問題などの改善によって、ジアノッティ病にかかることはまれになっています。

原因

ジアノッティ病は、B型肝炎ウイルスに初めて感染し、アレルギー反応が生じた結果として全身の皮膚に特徴的な皮疹が現れる病気と考えられています。

原因となるB型肝炎ウイルスへの感染は、B型肝炎ウイルスが含まれる血液や体液を介して起こります。具体的な感染経路として、出生時の母子感染、傷口への体液の付着、性行為など濃密な接触、ピアスの穴あけ、入れ墨、不衛生な医療器具の使用などが挙げられます。

症状

B型肝炎ウイルスに初感染後、手足の末端に皮疹がみられ、太もも、腕、顔というように体の中心へ向かって拡大していきます。

皮疹は米粒大で、皮膚表面が盛り上がったり赤くなったりします。紫色の斑ができたり、蕁麻疹(じんましん)のように赤く盛り上がってみみず腫れのようになったりすることもあります。また、リンパ節の腫れや微熱など軽度の全身症状を伴う場合や、肝臓の炎症によって黄疸(おうだん)(白目や皮膚が黄色くなること)や肝腫大(肝臓が腫れて大きくなること)、肝機能の悪化を伴う場合もあります。

一般的に皮膚症状は1か月以内に治まりますが、肝機能は正常に戻るまでに3~6か月程度かかることもあります。

検査・診断

ジアノッティ病は、特徴的な皮疹を確認することによって診断されるほか、血液検査でHBs抗原などの有無を調べ、B型肝炎ウイルスへの感染を確認することもあります。また、B型肝炎ウイルス以外のウイルスが原因の症状と考えられる場合、疑われるウイルスの抗体の有無などを確認することもあります。

B型肝炎ウイルスは肝臓に炎症を起こし肝機能が障害される場合があるため、ASTGOT)、ALT(GPT)、γ-GTPなどを調べて肝機能を評価したり、腹部超音波の検査をしたりすることもあります。

治療

ジアノッティ病は自然治癒が期待でき、一般的に皮膚症状は1か月以内に消失するため、特別な治療をせずに体内のウイルスが排除されるのを待ちます。全身症状がある場合は症状に応じた対症療法が行われることもあります。なお、他のウイルスが原因で生じるジアノッティ症候群も同様です。

しかし、皮膚症状がなくなっても、B型肝炎ウイルスが完全に排除されずキャリア(体内にウイルスを保有している状態)や慢性肝炎に移行したりすることがあります。その場合には抗ウイルス薬を投与するなど、病状に応じた治療が行われます。

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