ふぃらりあしょう

フィラリア症

最終更新日:
2018年08月17日
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2018/08/17
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概要

フィラリア症とは、線虫のなかの糸状虫と呼ばれる寄生虫によって引き起こされる病気です。フィラリア症はアフリカや南アメリカなどの熱帯・亜熱帯地域にみられる感染症であり、全世界で1億人以上の方が感染していると推定されています。日本では、フィラリア症の根絶に成功し、発症者はみられなくなりました。

寄生虫に感染しても何の症状を呈さない方もいますが、一部の方で病気の発症に至ります。フィラリア症を発症すると、急性期には発熱や悪寒、筋肉痛、慢性期には下肢や陰嚢などのむくみが生じることがあります。

原因

フィラリア症は、バンクロフト糸状虫やマレー糸状虫、チモール糸状虫に感染することで引き起こされます。これらの寄生虫は蚊の体内に潜んでおり、蚊に刺されることで人への感染が成立します。

人の体内に入り込んだ寄生虫はその後成虫へと成熟し、主にリンパ管を障害するため、特有の症状が出現します。成虫はミクロフィラリア(仔虫)を血中に放出し、蚊が吸血して蚊のなかでミクロフィラリアから感染幼虫になり、蚊が再度、人を刺したときに感染します。また、寄生虫に対するアレルギー反応を起こすこともあります。

フィラリア症は、地域性のある病気です。病気の蔓延がみられる地域に幼少期から住んでいた場合、成人になってから発症することもあります。短期間の旅行者では発症リスクは低いです。

症状

寄生虫に感染しても何の症状も呈さないことがほとんどです。流行地で繰り返し感染する方が病気の発症に至ります。フィラリア症を発症すると、急性期には発熱や悪寒、筋肉痛を生じることがあります。慢性期には、下肢や陰嚢などを中心にむくみが生じることがあります。

リンパ管の流れが障害され、陰嚢が腫れたり、乳び尿(リンパ液の混じった尿)が出たりします。長年に渡ると皮下組織が肥大して、外観が象の足のようになることがあり、これを「象皮症」といいます。陰嚢が巨大に腫れることもあります。むくみに伴って、局所の痛みが生じることもあります。

リンパ管は、体の免疫に関しても重要な役割を担っています。免疫機能が障害を受けることで細菌や真菌などによる感染症を生じることもあります。

検査・診断

フィラリア症は、血液を顕微鏡で観察し、病原体のミクロフィラリアを確認することで診断します。ミクロフィラリアは夜間に血液中を移動する習性があるため、夜間に採血が行われます。

その他にも血液や尿を用いて、リンパ球や好酸球、抗体価の測定、腎機能の評価、タンパク尿・血尿・乳び尿の確認などを行うこともあります。また、超音波検査により、拡張したリンパ管の中を移動する成虫が確認できる場合があります。

治療

フィラリア症は、ジエチルカルバマジン、アルベンダゾール、イベルメクチンなどの薬剤を用いて治療します。こうした薬剤は、主にミクロフィラリアに対して駆虫効果があります。

フィラリア症を発症した場合には、上記のような治療が行われますが、日本においては、制圧活動によりフィラリア症は根絶されたため、発症者はみられなくなりました。

予防

フィラリア症は、流行地で繰り返し病原体に感染することで発症することがあるため、流行地で蚊に刺されないようにする工夫が重要です。具体的には、虫除けスプレーや蚊帳を使用することなどが挙げられます。長袖や長ズボンを着用して肌の露出を抑えることも重要です。現在は、国際的に流行地でのフィラリア症の制圧運動が行われています。

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