ふぐちゅうどく

フグ中毒

最終更新日:
2020年08月31日
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2020/08/31
更新しました
2017/04/25
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概要

フグ中毒とは、フグの体内にある毒を摂取することで起こる中毒の状態をいいます。フグの体内、特に卵巣や肝臓には、人間にとって致死性の猛毒(テトロドトキシン)が含まれています。そのため、フグの調理は都道府県ごとに認められる公的な資格をもった者だけが行ってよいとされています。このテトロドトキシンという毒は、筋肉を動かす役割を持った神経の活動を抑制する性質があります。呼吸するための筋肉が使えなくなる場合もあるため、死に至ることもあります。

原因

フグ中毒の原因は、テトロドトキシンという神経毒の摂取です。テトロドトキシンは他の魚介類にも少量ながら含まれていますが、特にフグに多く含まれています。ただし、フグにも種類があり、テトロドトキシンの含有量はそれぞれ異なります。

テトロドトキシンは口から取り込まれて数十分で消化管から体内に吸収されます。吸収された後、全身の神経細胞に存在するナトリウムチャネルに作用して、神経の活動を阻害します。ナトリウムチャネルとは、神経が情報を伝達するために最も重要なイオンチャネルのひとつです。これによって、感覚が鈍くなったり自律神経の調節作用が低下したりします。特に運動神経の活動が阻害された場合、全身の筋肉を動かすことができなくなります。場合によっては、呼吸ができなくなり死に至るおそれがあります。

症状

フグ中毒の症状は、テトロドトキシンの摂取量により異なります。重症度は以下4段階に分けられます。

Ⅰ度:唇や舌、指先のしびれ

Ⅱ度:手足の感覚異常、軽い麻痺(まひ)

Ⅲ度:全身が動かしづらい、声が出しづらい、息苦しい

Ⅳ度:呼吸筋麻痺による換気不全・低酸素血症、低血圧・徐脈、意識障害

検査・診断

フグ中毒を診断するためには、患者さんからの情報が最も重要です。食事をした場所やお店、調理者、料理の種類、食事した時間など、詳細な情報を伝えることが極めて重要です。患者さんの血清・尿からテトロドトキシンが検出されればフグ中毒の診断は確定します。

治療

フグ中毒の治療では、呼吸筋麻痺による換気不全と低酸素状態を解除することが主となります。具体的には、口から呼吸の管を挿入して人工呼吸での管理を行います。フグ中毒において最も重要なことは、早期に診断を受け、早めに呼吸機能を補助することです。

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