症状
プラダー・ウィリ症候群は、脳の視床下部と呼ばれる部位の機能異常によってさまざまな症状が引き起こされます。視床下部には、ホルモン分泌、体温、呼吸、血圧、心拍数の調節のほか、満腹感や睡眠などを制御するはたらきがあります。そのため、プラダー・ウィリ症候群では過食やホルモン分泌異常を認めます。また、この病気では特徴的な外見の変化がみられ、小さな手足、アーモンドのような目、薄い上唇、下がった口角、色素低下、背骨の変形などが特徴として挙げられます。出生後、筋肉の緊張の低下や哺乳障害を認めますが、乳児期後期には改善してきます。
3~4歳頃になると、満腹中枢の異常によって過食傾向となり、過食を適切にコントロールできないと、肥満が目立つようになります。また、低身長になりやすい特徴があります。
学童期以降は、こだわり・パニックなどの行動が目立ち、日常生活に支障をきたすようになります。成人以降は糖尿病などの肥満合併症が生じやすく、慎重な経過観察が必要です。
症状の現れ方は患者によって異なり、特に近年は治療や管理方法の発展により、従来よくみられた肥満などの症状が改善傾向にあることが報告されています。
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