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Brain
プラダー・ウィリ症候群
プラダー・ウィリ症候群とは、過食に伴う肥満、低身長、性腺機能不全、糖尿病などの内分泌的異常と、知的障害、筋緊張低下、性格障害などの神経学的障害、小さな手足、アーモンド様の目、色素低下などの身体的...
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脳

プラダー・ウィリ症候群ぷらだー・うぃりしょうこうぐん

更新日時: 2018 年 09 月 06 日【更新履歴
更新履歴
2018 年 09 月 06 日
内容を更新しました。
2017 年 04 月 25 日
掲載しました。
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概要

プラダー・ウィリ症候群とは、過食に伴う肥満、低身長、性腺機能不全、糖尿病などの内分泌的異常と、知的障害、筋緊張低下、性格障害などの神経学的障害、小さな手足、アーモンド様の目、色素低下などの身体的特徴を有する症候群であり、15番染色体の一部のインプリンティング領域の異常が原因です。

プラダー・ウィリ症候群の根治的な治療方法は確立されておらず、出現する症状に対応した対症療法が検討されます。

原因

15番染色体短腕q11-q13に位置する父由来で発現する複数の遺伝子の働きが失われたことで発症すると考えられています。

父性発現伝子の働きが失われるメカニズムとして、15q11-q13の父性染色体微細欠失(70%)、15番染色体母性片親性ダイソミー(20%)、ゲノムインプリンティングの障害である刷り込み変異(5%)が知られています。まれに、染色体転座がみられます。

症状

年齢により以下のような症状が出現します。

周産期

胎動微弱や骨盤位、帝王切開での出産も20%です。

新生児期・乳児期

筋緊張低下、哺乳不良を呈し、自律哺乳が困難であり、多くは経管栄養を経験します。筋緊張低下のため運動発達遅滞がありしばしば「フロッピーインファント」となります。栄養は充分できない場合があり、乳児期後期まで体重増加不良でフォローアップが必要です。

首すわりや寝返り、独歩の時期が遅くなり、発達遅滞でフォローアップされています。母親は常に食事に常に悩みを持っています。男児では、90%に停留精巣がみられます。

幼児期

3歳過ぎから過食傾向が目立ち始め、急に肥満となっていきます。食に対する興味が非常に大きく、コントロール困難な過食が目立ちます。

3~5歳になるとしつこいなどの軽度の行動異常が目立つようになります。精神遅滞は、軽度ないし中等度となり、年齢が大きくなるにつれて側弯が出てきます。

思春期

高度肥満とそれに伴う糖尿病が出現し、二次性徴が起こりません。性格的にすぐに感情的になりパニックや癇癪(かんしゃく)を起こしながら声を荒らげたりする場合が見られたりすると、不登校やいじめの原因にもなりやすくなります。

検査・診断

プラダー・ウィリ症候群は、生後早い段階で生じる症状から疑われます。

診断は、PWS(Prader-Willi syndrome)/AS(Angelman syndrome)の責任領域である染色体の 15q11-q13部位の欠損を、SNRPN部位を認識するプローブを用いたFISH(fluorescent in-situ hybridization)法で検出できます。通常のG-バンド染色ではわかりません。

プラダー・ウィリ症候群では、肥満、糖尿病、高血圧などの合併症を生じることがあります。そのため、これらの病状を評価するために、レントゲン写真や血液検査、尿検査などが適宜検討されます。

治療

プラダー・ウィリ症候群に対する根治的な治療方法は確立されておらず、出現する症状に応じた対症療法が適宜検討されます。

生後間もなくであれば、呼吸のサポートをするための酸素投与や人工呼吸管理、哺乳をサポートするための経管栄養などが行われます。

成長とともに過食傾向が目立つため、肥満やそれに付随する合併症を予防するために、食事に注意を払うことも必要です。

食べ物があると摂食行動を抑制できないことも少なくないため、目のつくところには食べ物を置かないことも大切です。

低身長の治療には、成長ホルモンの補充療法、糖尿病には、カロリー制限(10キロカロリー/身長1cm当たり)や運動療法、行動制限療法、経口糖尿病剤の内服治療やインスリン注射療法を行います。

食行動で大切なことは、幼小児期からの食習慣を教育することです。

社会生活を送るようになると、対人関係に問題を生じることもあるため、早期の段階から、周囲の環境への適応を促す介入、心理的なサポートが必要とされます。

プラダー・ウィリ症候群は、生後早い段階から長期間に渡って継続的な介入が重要な疾患です。症状の出現も多岐に渡る可能性があるため、包括的な医療サポートが重要です。