症状
ペストの形態は、腺ペスト、肺ペスト、敗血症ペストの3つに分類されます。症状はそれぞれの形態に応じて異なります。
腺ペスト
主にペスト菌を保有するノミに咬まれることで発症するペストです。歴史的な大流行とも深く関連する形態です。体内に入り込んだペスト菌は、リンパの流れにのってリンパ節内で増殖します。2~7日ほどの潜伏期間の後に突然の高熱、悪寒、頭痛、痛みを伴うリンパ節の腫れ(鼠径部が腫れることが典型的です)が発生します。腺ペストが全体の80~90%を占めています。
腺ペストの治療がうまくいかないと、ペスト菌はさらに全身へ広がり、各種臓器に関連した症状を生じるようになります。ペスト菌が肺に到達すると肺ペストとなります。
肺ペスト
肺ペストは、腺ペストや敗血症ペストから移行することもあります。また、肺ペスト患者の唾液や咳などを介した飛沫感染により、最初から肺炎として発症することもあります。肺ペストの潜伏期間は1~4日程度とされます。発熱や悪寒に加え、咳、痰、胸痛など、呼吸器に関連した症状が現れます。
敗血症ペスト
敗血症ペストは、腺ペストや肺ペストに続いて起こることがあります。全身にペスト菌が広がっている状態であり、発熱、悪寒、腹痛、出血傾向などをきたし、死に至ることもあります。出血傾向に関連し、足先や指先、鼻などの皮膚に出血斑という黒っぽいあざが生じることもあります。
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