症状
下腿コンパートメント症候群では、下腿筋肉の痛みや腫れなどが生じるようになります。この痛みは特に下腿を動かしたときに生じやすいです。また下腿コンパートメント症候群では神経障害を来すことから、障害部位にピリピリとした痛みなど感覚異常が生じることがあります。血流障害や組織障害を反映して、皮膚が紫色に変化します。
また下腿コンパートメント症候群では、横紋筋融解症と呼ばれる筋肉の病気を併発することがあります。横紋筋融解症を発症すると筋肉内の電解質(主にカリウム)やタンパク質が血液中に放出されてしまうため、致死的な不整脈や腎機能障害などを発症する原因になることもあります。
下腿コンパートメント症候群は比較的ゆっくり進行することがあります。この症候群は、学童期の子どもが体育の時間に無理に走ったことがきっかけで発症することがあります。下腿コンパートメント症候群では、下腿の腫脹が強くなり痛みも伴うことから、あまり積極的に動きたがらなくなります。こうした様子が周囲から見ると、怠けていると見なされてしまうこともあります。
下腿コンパートメント症候群を早期の段階で発見・改善しなかった場合、筋肉の拘縮や下腿壊死、麻痺などの後遺症を残すことがあるため、治療後にも車いす生活や杖の使用などを余儀なくされることもあります。
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