にゅうぼうしぼうえし

乳房脂肪壊死

最終更新日:
2018年08月15日
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2018/08/15
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概要

乳房脂肪壊死とは、乳房に存在する脂肪が壊死(えし)してしまう状況を指します。乳房脂肪壊死は良性疾患であり、乳がんを引き起こすこともありません。

しかし、乳がんに類似している部分も多いため、乳がんとの鑑別(見分けること)をしっかりと行うことは大切です。診断により脂肪壊死であることが確認された場合には、特別な治療は行わず経過を見守ります。

原因

乳房に対して外力が加わることを原因として引き起こされることが多いです。特に、乳房が大きい方で乳房脂肪壊死を起こすことが多いといわれています。

そのほかにも、以下のような原因で乳房脂肪壊死が生じることがあります。

  • 放射線治療や抗凝固療法の影響
  • 乳房の生検
  • 乳房再建
  • 乳房への感染症
  • 特定の病気に関連した一症状(ウェバークリスチャン病など)

などが挙げられます。

上記のような原因をもとにして生じる乳房脂肪壊死ですが、原因が特定できないこともあります。

症状

乳房脂肪壊死は、痛みを伴うことのない小さな乳房のしこりとして認識されることがあります。しこりが生じる部位としては、乳頭周辺の表面であることが多いです。

しこりは大きさが変わらないこともある一方、大きくなったり小さくなったりなど変動することもあります。また、乳房脂肪壊死で生じるしこりでは、硬く、表面がゴツゴツとしたものであることもあります。

その他にも、出血や皮膚のひきつれ、痛み、乳頭のひきつれなどの症状が現れることがあります。こうした変化は乳がんでもみられる変化であるため、両者の鑑別が重要です。

検査・診断

乳房脂肪壊死では、乳がんとの区別を行う目的もあり、マンモグラフィーや超音波検査、CT検査、MRI検査といった画像検査が行われます。また、こうした画像検査に加えて、病変部位からの細胞を一部採取する生検検査が行われることもあります。

生検検査で得られた細胞を顕微鏡で細かく確認することで、乳房脂肪壊死か乳がんであるかの判断をおこないます。

治療

乳房脂肪壊死は良性疾患であり、時間経過と共に自然に退縮することも期待できます。乳がんの発症リスクが高まるということもないため、脂肪壊死であることが確認された場合には、治療介入をせず経過を見守ります。

しかし、検査をおこなっても乳がんとの判別がつかない場合や、しこりが大きくなるとき、乳房脂肪壊死によって痛みがあったり違和感があったりする場合には、手術的に病変部位を摘出することも検討されます。

良性疾患である乳房脂肪壊死ですが、乳がんとの鑑別がとても重要です。普段の生活のなかで乳房のしこりを自覚した際には、早い段階で病院の受診を検討しましょう。

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