せんてんせいしんじゅしゅ

先天性真珠腫

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

中耳と鼻の奥にある上咽頭を連絡し、中耳の換気を行う「耳管」の働きが悪いため、鼓膜の一部が陥凹して生じる後天性真珠腫に対して、先天的に鼓膜上皮(皮膚の一部)が中耳に迷入して発生する真珠腫を先天性真珠腫と呼びます。

真珠腫そのものは癌のように悪性の組織ではありませんが、周囲の骨を破壊していくため様々な症状を引き起こします。

原因

先天性真珠腫は、胎生期に鼓膜上皮(皮膚の一部)が中耳に迷入して発生する真珠腫です。まれに未分化な組織が突然変異的に皮膚上皮の組織に変化して真珠腫が生じることもあります。

中耳ばかりでなく、乳頭洞にも迷入して発生します。そのため、鼓膜の一部が陥凹して生じる後天性真珠腫と違い、鼓膜や外耳道の上皮と連続性がない真珠腫です。

症状

先天性真珠腫は鼓膜の裏側や、鼓膜に近いところにある耳小骨や中耳粘膜から発生した場合は、白い塊として鼓膜を透して発見されることがあります。

最近は、耳鼻科の診察で顕微鏡や電子ファイバースコープ、硬性鏡を用いて鼓膜の観察を行うため、小さな真珠腫でも見つかることが増えてきました。そのため、無症状のまま別の理由で耳鼻科を受診したとき、偶然発見されたりします。

真珠腫が大きくなり、耳小骨が破壊されると難聴や耳鳴、耳漏が生じます。さらに顔面神経周囲の骨や頭蓋底の骨が破壊されていくと、顔面神経麻痺髄膜炎などの症状が生じます。

検査・診断

ペン型のライト付き耳鏡による鼓膜の観察が重要です。鼓膜の裏側に白色の塊が透けて見えれば先天性真珠腫を疑います。顕微鏡や電子ファイバースコープ、硬性鏡を用いてより詳細に鼓膜の観察を行います。

真珠腫の確定や、進展の程度、周囲の骨破壊などを調べるためにはCT検査が有用です。

さらに、CT検査では分からない真珠腫の確定検査のために、MRI検査が行われることもあります。

治療

真珠腫により耳小骨ばかりでなく周囲の骨が破壊されると、難聴めまいばかりでなく、顔面神経麻痺髄膜炎などの重篤な合併症が引きい起されるため、手術によって摘出することが重要です。

手術方法は、病変の広がり具合や医療機関によって異なります。一度の手術で完全に病変を取りきれずに、時間経過とともに再発することがあるため、手術後も定期的なフォローを受けることが大切です。

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