せんてんせいしょくどうへいさしょう

先天性食道閉鎖症

最終更新日:
2020年07月08日
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2020/07/08
更新しました
2018/12/28
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概要

先天性食道閉鎖症とは、生まれつきに食道と胃がつながっていない病気を指します。生後早い段階から、哺乳や呼吸に関連した症状が見られる病気です。先天性食道閉鎖症の治療に際しては、手術的な介入が必要となります。

また、先天性食道閉鎖症は胎児期に診断されることもあります。出生後早い段階から集学的な治療が要求されることから、医療設備の整った施設へ母体搬送の処置が取られることも多く見られます。

原因

先天性食道閉鎖症は、赤ちゃんがお母さんの中にいるときに、食道が形作られる過程で異常が生じることを原因として発症します。食道の異常の過程に応じて、食道が行き止まり(閉鎖)になっていることもあれば、本来はつながっていないはずの気管とつながりが生じることもあります(気管食道瘻)。

また、本来食道とつながっている胃の側においても、さまざまな状態を現すことが知られています。

先天性食道閉鎖症は、全身疾患の一病状として見られることもあります。たとえば、VATER症候群(ヴァーター症候群)と呼ばれる病気では、先天性食道閉鎖症の発症頻度が高く、ほかにも骨や腎臓、肛門などに異常を見ることがあります。

症状

先天性食道閉鎖症では、赤ちゃんがお母さんのおなかの中にいるときから羊水の量が通常よりも多いことから疑われます。出生後は、哺乳に関連して嘔吐(泡沫状)を伴い、気管食道瘻であると母乳やミルクが気道系に入り込みます。そのため、咳や痰たんや呼吸回数の増加などの症状につながることがあります。中には肺炎を起こすこともあります。

検査・診断

先天性食道閉鎖症は妊娠中の超音波検査で羊水が多いことから疑われます。合併する形態異常の存在がないかどうかも詳しく超音波検査で確認されます。

出生後は鼻や口からカテーテル(医療用の管)を通し、そのカテーテルがどのような道筋を通っているかをエックス線撮影で確認します。

画像検査では、胃の中に空気があるかどうかを見ることも、先天性食道閉鎖症のタイプを決定するためにも大切です。

治療

先天性食道閉鎖症では、手術による治療介入が必要とされます。手術の回数やタイミングは、患者によってさまざまです。食道の状況のみならず、そのほかの全身疾患の病状を適切に把握することが、治療方針を決定するためには必要となります。

先天性食道閉鎖症では、哺乳や呼吸に関連したサポートが要求されることもあります。点滴や胃瘻造設、挿管および人工呼吸器を用いた呼吸管理など、患者の状態に応じて適切な処置が行われます。

また、胎児期において病気の存在を指摘されることもあります。胎児期に診断を受けた際には、母体搬送の処置を受けることで、よりスムーズに出生後の治療につなげることができます。

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