原因
化膿性汗腺炎の原因は複雑で、完全には解明されていませんが、毛穴の詰まりが発症のきっかけとなることが分かっています。毛穴が何らかの理由で詰まると、毛包内の内容物が排出されなくなり、最終的には皮膚内で破裂して炎症を引き起こすと考えられています。
そのほか、遺伝的要因としては、γセクレターゼ遺伝子の異常が知られています。環境的要因としては喫煙や肥満などが挙げられます。これらの要因が複雑に絡み合うことで、化膿性汗腺炎の発症や悪化につながると考えられています。
遺伝的要因
遺伝的要因については、欧米患者の30~40%に家族歴があるという報告があります(家族性化膿性汗腺炎)。日本では2~3%とあまり多くはないとの報告もありますが、今後さらに検討が必要です。
環境的要因
環境的要因としては、主に喫煙と肥満がリスク因子として挙げられます。たばこに含まれるニコチンが毛穴の詰まりを引き起こす可能性が指摘されており、一方、肥満は皮膚への圧力や摩擦による刺激の増加、さらには炎症を引き起こす物質(TNFα)の産生増加につながり、症状を悪化させる要因となっています。
炎症はお尻や腋の下など衣服との摩擦が生じやすい部位に現れやすく、窮屈な衣服によって悪化しやすいことから、衣服による機械的刺激も要因の1つといわれています。特に女性の場合、月経周期や妊娠に伴って症状が変動することがあり、性ホルモンの関与も指摘されています。
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