だせきしょう

唾石症

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

唾石症(だせきしょう)とは、カルシウム塩が固まってできた唾石(結石)が唾液管を狭窄・閉塞することで、唾液腺が腫れ上がる病気です。唾石症は顎下腺に起こることがほとんどで、耳下腺に起きることはまれです。

原因

唾液管内にカルシウムが沈着し、唾石が作られます。顎下腺管は他の唾液管に比べ長いことに加え、唾液内のカルシウム・リン酸塩の濃度が高く、唾液の性状も粘稠であるため、顎下腺では唾石ができやすいといわれています。

症状

唾石が小さければ隙間から唾液を排出できるため無症状です。ある程度の大きさになって唾液の排出路を狭窄・閉塞すると、唾液を排出できなくなるため唾液腺が腫れます。唾石症による腫れは、唾液の分泌が盛んになる食中や食後に出現して、時間とともに徐々に改善するのが特徴です。唾石が口腔内近くにあると、舌の裏にある口腔底が腫れることもあります。

口腔内細菌により逆行性感染を起こすと、疼痛や発熱を起こします。周囲皮膚や口腔底などに炎症が波及すると、激しい疼痛、発赤、腫脹を伴う蜂巣炎瘍などに進展すこることもあります。繰り返すうちに慢性的な腫脹になることもあります。
 

検査・診断

唾石が口腔の唾液腺開口部近くにある場合は触診で触知可能です。細菌感染をきたしていれば、開口部からの流出を確認できます。

ほかにも頸部レントゲンやCTなどの画像検査を実施することがあります。CTでは唾石の場所や大きさなどが明確に分かります。他にも超音波(エコー検査)で唾石と唾液管拡張を調べることもあります。
 

治療

検査で唾石を認めても症状がない場合は、そのまま経過観察を続けて自然排出を待つことがあります。感染症を合併しているときには抗菌薬を投与や感染症予防のため口腔ケアを実施します。

口腔内から唾石を触知できる場合は、口腔内を切開して摘出します。口腔内から触知困難な場合、顎下腺唾石症では外切開により顎下腺ごと摘出します。

唾液腺内視鏡が開発されたことで、小さな唾石なら経口腔的に管内を観察、唾石の破砕・回収が可能になりました。しかし、唾液腺内視鏡による治療は石の大きさに限界があること、行える施設が限られていることから、各医療機関で相談が必要です。
 

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