原因
内耳はカタツムリのような形状をしている平衡感覚や聴力にとって重要な器官です。内耳は側頭骨内にあり、骨迷路という空間とその中にある膜迷路からできています。両者の間は外リンパ、膜迷路の中は内リンパで満たされています。外リンパ液が流れている空間には中耳と壁を隔てて隣り合う部分が存在し、「前庭窓」と「蝸牛窓」と呼ばれています。つまり、前庭窓と蝸牛窓により内耳と中耳は隣り合っています。
前庭窓と蝸牛窓は外力に対して弱い構造をしているため、穴が開くことがありこの状態を「前庭窓破裂」、「蝸牛窓破裂」と呼びます。穴が開いて外リンパが持続的に中耳漏れ出た状態が「外リンパ瘻」です。外リンパ漏が起きると内耳が本来持つ平衡感覚や聴力に支障が生じます。
内耳の一部に穴が開くきっかけはさまざまで、交通外傷や頭部外傷などの強い外力や日常生活のちょっとした動作によって生じることがあります。具体的には、重い物を持ち上げる、トイレでいきむ、強く鼻をかむ、くしゃみ、海に潜る、エレベーターに乗る、飛行機に乗るなどしたときで、これは急激な圧変化によるものです。また、なかには特発性と呼ばれる原因不明のものもあります。
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