治療
太田母斑は放置していても特に問題はありませんが、自然に消失することもないため、整容的な観点からレーザー治療を検討することがあります。ただし、眼球にはレーザーの照射ができないため、眼球に太田母斑が生じた場合は現在のところ有効な治療方法が存在しないのが現状です。
以下では、太田母斑の治療として行われるレーザー治療についてそれぞれ紹介します。
レーザー治療
レーザー治療にはQスイッチレーザー、Qスイッチルビーレーザー、YAGレーザー、アレキサンドライトレーザーなどさまざまな種類があり、その種類ごとに治療後の経過や照射回数などが異なります。
実際に使用されるレーザーは医療機関によって異なりますが、いずれのレーザーでも照射することにより光エネルギーが熱エネルギーへと変換され、あざの原因となっているメラニン色素を熱で壊してあざの除去を目指します。特にQスイッチの搭載されたレーザーは照射時間が瞬時で非常に短いため、周辺の皮膚へのダメージが少ないといわれています。
レーザー治療の経過
太田母斑に対するレーザー治療は、治療後すぐに効果が現れるものではありません。照射後は徐々にメラニン色素が除去され、少しずつあざが薄くなっていくことが一般的です。この経過をみるために、通常照射後3〜6か月は経過観察を行います。
なお、太田母斑に対するレーザー治療は1回の照射で済むことは少なく、平均して3回以上の照射が必要となる傾向があります。照射から3〜6か月経過しても、あざが完全に消えていなかった場合、レーザーの再照射を検討します。
レーザー治療の注意点
レーザー照射には痛みが生じるため、子どものうちに治療を受ける場合には全身麻酔が検討されることもあり、治療に入院が必要になる可能性もあります。また起こり得る副作用として、頻度はまれですが軽い色素沈着や色素脱出が挙げられます。
太田母斑に対するレーザー治療は、概ね保険適用で行えます。ただし使用するレーザー機器や照射する回数などによっては保険適用外となることもあるため、治療を検討する際はあらかじめ医療機関に確認しておきましょう。
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