きゅうせいせいもんかこうとうえん

急性声門下喉頭炎

別名
クループ症候群,仮性クループ
最終更新日:
2018年07月18日
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2018/07/18
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概要

急性声門下喉頭炎とは、3か月~3歳ぐらいの小さいお子さんにみられることが多い感染症のひとつを指します。「仮性クループ」「クループ症候群」とも呼ばれる病気です。

鼻水や咳、発熱など風邪のような症状からはじまり、犬吠様咳嗽(けんばいようがいそう)と呼ばれ「ケンケン」と聞こえる特徴的な咳が出るようになります。時に急激に症状が悪化することもあるため注意が必要です。

原因

急性声門下喉頭炎は、文字通り声門の下に相当する喉頭に炎症が生じることを原因として発症します。多くの場合、ウイルス感染症を原因として炎症が引き起こされます。特に、冬に流行がみられるパラインフルエンザウイルスとよばれるウイルスが原因となることが多いです。そのほかにもRSウイルス、インフルエンザウイルスなどが原因となります。

ウイルスは唾液や痰、鼻水などに含まれることがあるため、咳によってウイルスが環境中にばらまかれてしまい、それに暴露されることで周囲に感染が広がる可能性があります。また、おもちゃやタオルなどがウイルスに汚染されてしまい、これらを共有することを介してウイルスの感染が成立することもあります。

特に小さいお子さんの場合は、衛生概念が確立していないため、保育園や幼稚園などの集団生活のなかでウイルスが蔓延しやすい側面もあります。

症状

ウイルスに感染した後に、数日程度の潜伏期間を経て症状が現れます。鼻水や軽い咳、発熱といった風邪のような症状からはじまり、その1~3日後に、犬吠様咳嗽(けんばいようがいそう)と呼ばれ、犬やオットセイの鳴き声のように「ケンケン」と聞こえる特徴的な咳がみられるようになります。

そのほか、炎症が生じることで空気の通り道が狭くなることと関連して、喘鳴(ぜんめい)と呼ばれる症状も出現し、「ヒューヒュー」という音が聞かれることもあります。また発声に重要な声門周囲に生じる炎症であるため、嗄声(させい)と呼ばれる声枯れの症状が現れることもあります。

急性声門下喉頭炎による症状は、夜間や早朝に悪化することも少なくありません。

検査・診断

急性声門下喉頭炎は、主に症状などの臨床経過から診断されます。特に犬吠様咳嗽は特徴的であり、診断の際に重要な症状であるといえます。

また、急性声門下喉頭炎では声門の下が炎症を生じている状態を確認するための検査が行われることもあります。具体的には、レントゲン写真や喉頭ファイバースコープ検査などが検討されます。

治療

主にウイルス感染によって引き起こされる病気であるため、基本的には呼吸状態をサポートするための治療が中心です。

具体的には、加湿や外用薬の吸入・ステロイドの内服などが検討されます。基本的には数日の経過で自然軽快する病気であるため、ステロイドの内服も長期に必要というわけではありません。

ただし、呼吸状態が悪い場合には、酸素投与や気管内挿管による人工呼吸器なども考慮します。症状の程度によって、どの程度まで治療介入を行うかが決定されます。

急性声門下喉頭炎を予防するためには、通常の風邪と同様に外出後の手洗いやうがい、周囲に咳をしている人がいる場合や人ごみではマスクを着けましょう。また、普段から規則正しい生活や適度な食事、運動をすることも免疫力を高めるために重要です。

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