治療
憩室炎の治療は合併症がみられるか(膿瘍・穿孔を伴うか)によって異なります。
主な治療方法には抗菌薬投与、腸管安静、外科手術などがあり、治療の経過を確認しながら治療法を決定していきます。
膿瘍・穿孔を伴わない憩室炎の治療
膿瘍・穿孔を伴わない憩室炎では、抗菌薬を投与しながら腸管の安静を保つことで症状が軽快する場合があります。高熱や血液検査で高い炎症反応がみられる場合には入院したうえで食事制限をして腸管を安静に保ち、水分や栄養補給のための点滴を行うことが一般的です。しかし、これらの症状がみられず腹痛がコントロールされている場合は、外来で治療が可能なことも多いです。
一部の患者は治療後も改善がみられず膿瘍が出現し、膿瘍を伴う憩室炎に準じた治療が必要になることもあります。また、治療後も再発を繰り返す場合や、腸管狭窄、瘻孔といった症状がみられる場合などは、大腸を切除する手術が必要になることがあります。
膿瘍・穿孔を伴う憩室炎の治療
膿瘍・穿孔を伴い、広い範囲に腹膜炎がみられる場合(汎発性腹膜炎)は危険な状態であるため、大腸や周りの臓器を切除する緊急手術が必要になります。膿瘍が小さく腹膜炎の範囲が限られている場合は抗菌薬やドレナージ治療(カテーテルなどを用いて膿などを体外に排出する治療)で対応できることもありますが、症状が改善しない場合は大腸を切除する手術が必要になります。
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