しんせいけっかんおうはんしょう

新生血管黄斑症

同義語
血管新生黄斑症
最終更新日:
2024年10月30日
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2024/10/30
更新しました
2018/09/05
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概要

新生血管黄斑症とは、目に入った光を感じ取る目の奥の膜(網膜)の中心部にある黄斑(おうはん)部に、新たに異常な血管(新生血管)が発生する病気のことです。

黄斑部には、細かい物を見たり、色を見分けたりするための重要なはたらきがあります。新生血管が発生すると黄斑部のはたらきが障害され、視力の低下や物が歪んで見えるといった症状が現れるようになります。

明らかな原因はわかっていません。主な治療方法は新生血管の発生を抑制する効果がある目薬などを使用した薬物療法です。治療は長期にわたり、視機能が改善しづらいケースもあります。

原因

新生血管黄斑症の明確な発症メカニズムは解明されておらず、日本では難病の1つに指定されています。一方で、眼底に異常をきたすほどの高度の近視があると発症しやすいことが報告されています。

また、弾性線維性仮性黄色腫(だんせいせんいせいかせいおうしょくしゅ)などの病気でも新生血管黄斑症を引き起こす可能性があると指摘されています。

症状

細かい物を識別したり色の違いを認識したりする黄斑部に異常な新生血管が生じ、物が歪んで見えたり視力が低下したりするほか、視野の中心部分が見えなくなるという症状も現れます。

また、新生血管から出血が生じた場合は、急激な視力低下がみられるケースもあります。

検査・診断

新生血管黄斑症は、眼底(目の奥)を観察して黄斑部の変化を評価することが重要です。

眼底検査

目の奥にある網膜や血管、視神経などの状態を観察する検査です。眼底鏡や眼底カメラなどの機器を使用し、目の奥を観察します。

光干渉断層計(optical coherence tomography:OCT)検査

近赤外光を目に照射し、網膜の断面の状態を撮影する検査です。黄斑部の状態などを詳しく観察します。

蛍光造影検査

特殊な造影剤を腕の静脈に注射し、網膜やその外側の脈絡膜の血管を撮影する検査です。黄斑部に生じた新生血管の状態を詳しく調べることができ、診断をするうえで重要な検査です。

光干渉断層血管撮影(optical coherence tomography angiography:OCTA)検査

光干渉断層計を発展させた装置により網脈絡膜の血流を評価する検査です。一部のケースにおいて、黄斑部に生じた新生血管などを評価することができます。

治療

新生血管黄斑症と診断された場合は、新生血管が拡大し網膜組織に障害を与えるのを抑えるために、抗VEGF薬と呼ばれる薬物を目に注射する治療を行います。

抗VEGF薬は異常新生血管の発生を抑える効果があります。ただし、再発することもまれでないため、治療は長期にわたります。効果が不十分なケースもあります。

また、治療により新生血管が退縮(小さくなり固まる)したとしても、視力があまり改善しないことや歪みがとれないことも多いため、視機能の維持が主な目的となります。

予防

新生血管黄斑症の明確な発症メカニズムが解明されておらず、現在のところ確立した予防方法はありません。

しかし、病的な近視弾性線維性仮性黄色腫などの病気が発症リスクを高めることが分かっています。そのため、何らかの目の病気がある場合や視力に異常がある場合は定期的に検査を受けることが大切です。

物の見え方に違和感がある場合は、たとえ反対の目がよく見えていたとしても、軽く考えずに早めに医療機関を受診するようにしましょう。

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