原因
有機リン剤中毒は、以下のような理由で有機リン剤を飲み込むこと(経口接種)、皮膚を通して吸収されること(経皮吸収)、あるいは吸い込んでしまうこと(吸入)によって起こります。
有機リン剤の調整中や散布中
マスクやメガネ、保護服など、散布中の装備が不十分であったり、風が強いときに散布を行ったりすることで、有機リン剤が皮膚に付着したり、吸い込んでしまうことがあります。
誤飲や誤用
有機リン剤であることを知らずに飲んでしまった、皮膚にかかってしまったという事故が報告されています。誤飲は、飲料物とわけて保管されていなかった場合など、有機リン剤の管理に不備があるときなどに起こることがあります。
意図的に飲む
自殺企図などにより、自ら故意に有機リン剤を服用する例があります。有機リン剤に含まれる有機リン化合物には、人の体内にあるコリンエステラーゼという酵素のはたらきを阻害する作用があります。コリンエステラーゼとは、アセチルコリンという神経伝達物質を分解する酵素のことです。
このはたらきが阻害されてしまうことにより、神経繊維の末端(神経終末)にアセチルコリンが蓄積されていきます。これにより、めまいや歩行困難など、さまざまな神経症状が現れます。
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