症状
有機リン剤中毒の症状は、重症度により以下のように異なります。ただし、症状が遅れて現れることや、改善してから数日~数週間を経て再燃(おさまっていた症状が再び悪化する)することもあります。
軽症
- 倦怠感
- 違和感
- 頭痛
- めまい
- 胸部の圧迫感
- 不安感
- 軽度の運動失調:自分の意識や意図と連動した随意運動がスムーズにできなくなる症状です。
- 嘔気:胃のなかにあるものを吐き出したいという、切迫した吐き気のことを嘔気といいます。
- 唾液が過剰に分泌される
- 発汗
- 下痢
- 腹痛
- 軽度の縮瞳:瞳孔が小さくなる症状です。 など
中等症
上述した軽症の症状に加えて、以下のような症状が認められます。
- 著しい縮瞳
- 筋繊維性れん縮:筋肉が小さくピクピクと動く症状です。
- 歩行困難
- 言語障害
- 視力減衰:視力の低下や目のかすみ、視野が狭くなるといった症状です。
- 徐脈:不整脈の一種で、安静時の心拍数が1分間に60回(bpm)未満のときを指します。 など
重症
- 縮瞳
- 意識混濁
- 対光反射消失:対光反射とは、光によって瞳孔が大きくなったり小さくなったりすることを指します。重症の有機リン剤中毒の場合、光刺激を受けても、このような瞳孔の収縮が行われなくなります。
- 全身のけいれん
- 肺水腫:毛細血管から滲み出した液体が、肺を構成する肺胞(はいほう)に溜まってしまい、息苦しさなどの呼吸器症状が現れます。重症例の場合、呼吸不全に陥ることもあります。
- 血圧の上昇
- 失禁 など
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