とくはつせいこきゅうきゅうはくしょうこうぐん

特発性呼吸窮迫症候群

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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原因

特発性呼吸窮迫症候群は、肺内のサーファクタントと呼ばれる物質が不足することを原因として発症します。

母体内に赤ちゃんがいるときには、肺はガス交換をするという機能を果たしておらず、胎盤がその役割を担っています。赤ちゃんの肺はガス交換というはたらきをする必要性がないことから、肺そのものはしぼんだ形になっています(虚脱(きょだつ))。たとえると、風船がしぼんでいる状態です。

赤ちゃんが生まれると胎盤でのガス交換に頼ることができなくなるため、自身の肺で呼吸をする必要性が出てきます。ガスで肺を満たすには、しぼんだ風船を膨らませるのと同じように、虚脱した肺を膨らませる必要があります。風船を膨らませる状況を想像すると分かるように、風船は膨らませ始めにもっとも力を必要とします。サーファクタントは、この状況を助け、より一層楽に肺を膨らませるために重要な役割を果たしています。サーファクタントは界面活性剤の一種であり、表面張力を低下させ、虚脱した肺をより容易に膨らませ、肺の形を保持することが可能になります。

妊娠34週頃になると、肺に存在するⅡ型肺胞上皮細胞と呼ばれる細胞からサーファクタントが合成・分泌されるようになります。これ以前の段階の肺にはサーファクタントが充分量肺に存在していません。そのため、妊娠34週よりも前に生まれると、母体内で虚脱していた肺をうまく膨らませることができなくなり、結果として特発性呼吸窮迫症候群を発症することになります。

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