治療
特発性呼吸窮迫症候群の本体は、肺内におけるサーファクタントの欠乏です。そのため、特発性呼吸窮迫症候群の治療に際しては、気管チューブを挿管したあとに経気道的にサーファクタントを投与・補充することになります。
特発性呼吸窮迫症候群の呼吸症状が強くない場合には、酸素投与のみでも呼吸症状の改善を期待することもできますが、症状が強い場合にはサーファクタントの補充と、それに続く人工呼吸器管理が必要となります。
特発性呼吸窮迫症候群は、34週までのお子さんが出生すると発症するリスクが高くなります。サーファクタントの産生はステロイドで促進されるため、早産があらかじめ予想される場合は、母体に対してステロイドを予防的に投与することもあります。
特発性呼吸窮迫症候群を発症すると、急性期の呼吸障害はサーファクタントや人工呼吸器管理などで改善することが期待できます。しかし、気管支肺異形成症を発症し、呼吸障害が再燃することもあります。そのため、呼吸状態の変化に注意しながら、集中治療管理が継続されることになります。NICU(新生児集中治療室)からの退院時にも気管支肺異形成症の症状が強い場合には、酸素投与が必要となることもあります。
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