ほうしんじょうのうかしん

疱疹状膿痂疹

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

疱疹状膿痂疹(ほうしんじょうのうかしん)とは、(うみ)が溜まった「膿疱(のうほう)」と呼ばれるものが全身にわたって生じる病気のひとつです。膿疱が全身に広がって生じる病気として「膿疱性乾癬(のうほうせいかんせん)」と呼ばれるものがありますが、疱疹状膿痂疹は膿疱性乾癬に含まれる疾患概念であり、妊娠や女性ホルモンの異常に関連して発症する病気です。

疱疹状膿痂疹は、人に伝染するタイプの病気ではありません。そのため、他の人に病気をうつしてしまうのではないか、という心配を持つ必要はないといえます。

原因

疱疹状膿痂疹は、妊娠や女性ホルモンの異常などに関連して発症する病気です。そのため、基本的には女性にみられる疾患となります。

疱疹状膿痂疹が発症するかどうかは、患者さんの遺伝的な背景や体質的な側面が大きく関与していると推定されています。もともと病気を発症しやすい人において、妊娠や女性ホルモンの異常などの要因が加わることで、病気の発症に至ると考えられています。すなわち、ひとつの要因で病気が発症するわけではなく、多様な因子が複雑に関与することから疱疹状膿痂疹の発症に至ると考えられています。

症状

疱疹状膿痂疹では手足や体幹など幅広い部分において、特徴的な皮膚変化を見ます。皮膚に赤みを伴い銀白色の角質を生じます。さらに、内部にを溜めた「膿疱」と呼ばれる病変を見るようになります。膿疱の大きさは数mm程度のものが多数生じ、それぞれの膿疱が融合してひとつの大きな膿疱を形成することもあります。

疱疹状膿痂疹では、皮膚変化以外にも発熱や脱水、関節の痛み、全身のむくみなどの症状をみることもあります。妊娠中の女性に発症した場合、お母さんの状態が重篤になるのみならず、赤ちゃんへの影響も懸念されます。なかには母児ともに生命の危機に瀕することもあります。

検査・診断

疱疹状膿痂疹を診断するためには、皮膚所見や臨床経過を詳細に評価することが重要です。その過程において、血液検査を行ったり、皮膚の一部を採取して観察する病理組織検査を行ったりすることもあります。

臨床経過・各種検査項目の詳細な評価から、類似した病気の除外が行われ、そのうえでの疱疹状膿痂疹の最終診断となります。

治療

疱疹状膿痂疹は、妊娠中に重症化してしまい、お母さんのみならず赤ちゃんにも重篤な影響を及ぼすことがあるため、積極的な治療介入を検討します。使用されうる治療方法としては、ステロイドやシクロスポリン、TNFα阻害薬などといった薬剤の投与に加えて、顆粒球単球吸着除去療法と呼ばれる方法もあります。

実際にどのような治療方法を選択するかどうかは、皮膚病変の広がり、全身状態、血液検査の結果などから判定される重症度により異なります。これらの情報を総合的に評価したうえで、メリット・デメリットを考慮しながら治療が選択されます。

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