よう

別名:おでき
皮膚

目次

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概要

せつ(いわゆる「おでき」)は、毛包炎もうほうえんが進行したもので、毛包および毛包周囲が黄色ブドウ球菌などの細菌感染を起こしたものです。せつが長期間にわたり繰り返し生じる、あるいは同時に複数認められる場合をせつ腫症といいます。また、顔にできた節を面疔めんちょうと呼びます。ようは、せつがさらに増悪し隣同士の複数の毛包にわたって細菌感染が生じたものです。

 

治療は黄色ブドウ球菌に効果のある抗生物質を内服あるいは点滴します。柔らかく膿瘍となったものに対しては、針を刺したり切開したりすることで排膿(うみをだすこと)します。

原因

せつ、癰ともに誰にでも発症することがありますが、糖尿病の患者さんでより多く生じます。その場合は、血糖のコントロールを始めとする糖尿病の治療が必要になります。

症状

せつでは、毛穴に一致した赤色の点(毛包炎の症状)が徐々に痛みと熱をもって赤く腫れあがり、皮膚が少し飛び出た状態になります。この赤い塊は、次第に押すと軟らかくなり、膿瘍(のうよう)という(うみ)がたまった状態となります。この頂点の皮膚に穴があき膿がでると症状は改善に向かいます。徐々に皮膚の膨らみ、赤み、痛み、膿が減り小さな傷を残して治っていきます。

癰は、せつより深い部分の細菌感染であり、隣り合う複数の毛包が同時に侵されるため、せつよりも皮膚が半球状に大きく盛り上がった赤い塊となります。せつよりも炎症が強いため、痛みも強く、また発熱、悪寒(おかん)など全身の症状が出ることもあります。せつと同様に、大きくなるにつれ次第に軟らかくなって、その表面には複数の膿栓といわれる白い点ができ膿が出てきます。首の後ろ・背中・臀部(おしり)・太ももにできることが多いとされています。

検査・診断

一般的に、病巣からの細菌培養で黄色ブドウ球菌が検出されます。癰では、血液検査で白血球数が増え、CRP(感染があると高い値になる)の上昇を認めることもあります。せつや癰は、見ただけでは粉瘤が感染したものと区別ができないことがあります。切開により、内容物に粥状物質(垢が溜まったもの)や袋のようなものがあれば粉瘤と判断します。

治療

抗生物質

せつや癰の治療では、主に抗生物質を投与します。せつなど軽症の場合は内服で大丈夫ですが、癰に発展し重症の場合(発熱などがみられたり採血にて白血球やCRPの値が高い場合など)には点滴で投与します。抗生物質の種類は、はじめは黄色ブドウ球菌に一般的に効果があるものを投与します。初期の治療に反応しない場合や、病巣からの細菌培養でメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が検出された場合は、バンコマイシンなどのMRSAに効果のある抗生物質を投与します。

外科的処置

せつで、軟らかく膿がたまっている場合や、癰の場合は、切開し排膿する処置が必要になります。その場合は,処置の痛みを軽くするため局所麻酔(病変部の周囲を細い針で刺して部分的に麻酔する方法)をすることもあります。