よう

最終更新日:
2023年05月24日
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2023/05/24
更新しました
2017/04/25
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概要

(よう)とは、毛包炎(もうほうえん)が進行して複数の毛包に化性の腫れをきたしたものです。

毛包は毛穴の奥にある毛根を包んでいる部分で、そこに細菌が入ると炎症が生じ、膿がたまります。

1つの毛包に病変がみられる場合を(せつ)(いわゆる“おでき”)、癤が悪化して複数の毛包に広がったものを癰といい、若年成人から高齢者まで幅広い年代での発症がみられます。

症状としては、癤では痛みや炎症部分が熱を持つ熱感などの局所症状がみられますが、癰では痛みが強くなるだけでなく、発熱や体のだるさなどの全身症状も認めることが多いのが特徴です。

見た目が特徴的であることから、多くの場合、特別な検査を必要とせず視診によって診断がつきます。ただし、重症の場合には、培養検査や感受性検査を行うこともあります。

治療はセフェム系抗菌薬などの内服が行われ、重症の場合には点滴で静脈から直接抗菌薬を投与します。また、膿を排出するために局所麻酔下での切開が必要になることもあります。

原因

毛包炎、癰の原因の大半は黄色ブドウ球菌です。まれに(りょくのうきん)やそのほかの菌が原因になる場合もあります。

細かな傷から毛包に入り込んだ細菌によって炎症が生じ、膿瘍(のうよう)という膿がたまった状態となったものが“癤”です。癤がさらに悪化し、隣接する複数の毛包に炎症が拡大して大きな膿瘍が形成されると癰となります。

糖尿病の人や、そのほか基礎疾患によって免疫が下がっている人では癤や癰になりやすく、また重症化しやすいといわれています。

症状

病変が1つの毛包で発生したの場合、毛穴に一致して赤く腫れ上がり、痛みや熱感が生じます。感染初期には腫れた部分が硬くなっていますが、数日から数週間程度で柔らかくなって瘍が形成されます。腫れた部分の頂上に膿栓という白い点が存在し、ここに穴が開いて破けると膿が排出され、急速に症状が軽快します。

癤が悪化した状態の癰では半球状に赤く腫れ、頂上には複数の膿栓を認めます。癤よりも炎症が強いことからより強い痛みが生じ、発熱や体のだるさなどの全身症状も認めやすいのが特徴です。

毛のある部分に起こりやすくなりますが、特に背中や太ももに発生しやすいとされています。

検査・診断

見た目が特徴的であるため、多くの場合で特別な検査を必要とせず、問診や視診によって確定診断が可能です。ただし、重症の場合にはを採取し、原因菌を特定するための細菌培養検査や有効な薬を明らかにするための感受性検査を行うこともあります。時に細菌感染をきたした粉瘤(角質と皮脂が充満した嚢腫)との見分けが難しいケースもあります。

治療

や癰は黄色ブドウ球菌が原因の大半を占めることから、治療には主にセフェム系の抗菌薬が用いられます。軽症の場合には抗菌薬の内服で治療しますが、重症の場合には点滴で投与します。

通常、初期治療としてセフェム系の抗菌薬が用いられますが、検査によってセフェム系の抗菌薬に耐性を示す菌が検出された場合(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌など)では、ほかの抗菌薬への変更が必要です。

また、瘍を押したときに内部の液体が波打つように触れるようになった場合は、抗菌薬が効きにくいため、切開して膿を排出させます。このとき、痛みを和らげるために局所麻酔を行うこともあります。

なお、自壊して排膿する(自然と膿が出ること)と症状が急速に軽快しますが、患部を潰して排膿すると炎症が広がり悪化してしまう場合があるため、自己判断で排膿するのは控えるようにしましょう。

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