治療
短腸症候群では、残存している腸の長さによって治療方法が異なります。腸がそれなりに残存しており、腸からの栄養吸収が期待できる場合には、食事摂取方法や食事内容を工夫することで対応します。たとえば、1日3回の食事摂取方法では、一回に腸が吸収しきれる以上の食物量となる場合は、さらに複数回に小分けにして食事を摂取することがあります。また、食事内容として、糖分を控えめにしたり消化に悪いものを避けたりすることも大切です。さらに、経腸栄養剤やビタミン剤、整腸剤や胃薬などの内服薬が併用されることもあります。
腸管から充分量の栄養補給が期待できない場合には、点滴にて栄養を補う「静脈栄養法」が選択されることがあります。短期的にみれば、静脈栄養法は効果的な治療法といえます。ただし、長期にわたる静脈栄養管理は患者さんのQOL(生活の質)を低下させてしまうだけでなく、生命を左右しかねない合併症を引き起こすこともあります。保険適用とはなっていませんが、小腸移植は短腸症候群の治療選択肢のひとつです。今後小腸移植が行えるよう、環境を整備することが理想的だと考えられています(2019年3月時点)。
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