たんちょうしょうこうぐん

短腸症候群

大腸・小腸

目次

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概要

短腸症候群とは、腸管が充分に機能をしなくなり、結果として栄養や水分などの吸収不全を来すようになった状態を指します。多くの場合は、何かしらの病気をきっかけとして小腸の大多数を外科的に切除せざるをえないことから発症します。短腸症候群を発症すると、体にとって必要十分な水分、ビタミン、ミネラル、カロリーなどを摂取することができなくなり、さまざまな栄養障害を来すようになります。具体的にどの栄養障害を来すかに関しては、残された小腸の機能に応じて異なります。  短腸症候群においては腸管を介しての栄養吸収が充分になされないことになるため、食形態や食事摂取回数に工夫をこらすことが必要であり、時には点滴による栄養・水分補給を要することがあります。

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原因

短腸症候群は、腸管の吸収機能が障害されることによって発症する病気です。体にとって必要な水分や栄養素の多くは、小腸で消化吸収をされます。小腸はさらに、十二指腸、空腸、回腸に分けられますが、各部位に応じてメインに吸収されるものが異なります。たとえば十二指腸は鉄の吸収に重要な部位ですし、空腸は炭水化物、タンパク質、脂肪の吸収に重要な役割を果たします。また、回腸ではビタミンB12や胆汁の吸収がされています。なお小腸の後ろには大腸が位置していますが、大腸では水分吸収の最終調整を行っており、便の形態が水分状のものから固形のものに変化することになります。同じ消化管であっても部位に応じて役割が異なっているため、短腸症候群において機能障害を受ける部位に応じて吸収障害を受ける栄養素が異なります。短腸症候群は、腸管を広範囲に手術的に切除した後に発症することが代表的です。低出生体重児においては、「壊死性腸炎」と呼ばれる重篤な消化管合併症を発症することがあります。この病気を発症すると腸管が壊死を来たし生命の危機に瀕することから、消化管の大部分を摘出せざるを得ないことがあります。その結果、残存する消化管が少なくなり短腸症候群が続発するようになります。また、ヒルシュスプルング病の重症例においては、消化管の大部分が機能不全を起こしていることがあります。重症例においては腸管感染症を繰り返しますし、イレウスを繰り返すことから手術的に消化管を摘出することがあります。この場合でも、短腸症候群が発症することになります。そのほか、クローン病や腸管動脈血栓症、外傷などでも、消化管摘出に際して短腸症候群を続発することがあります。また消化管の手術が行われていない場合であっても、原因疾患によっては腸管の機能不全に陥ることもあります。このような場合であっても消化管での消化吸収過程に異常を来すようになる結果、短腸症候群が発症することがあります。

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症状

短腸症候群の主要症状は、水様性下痢です。下痢を繰り返すことから脱水を来たし、また栄養吸収障害とも相まって栄養失調や体重減少を来すようになります。また、お腹がガスの影響からはった感じになったり、腹痛や胸焼けを感じるようになったりもします。こうした消化管に関連した症状は、食事を摂取すると増悪する傾向にあります。栄養障害の程度は、切除される部位や残された小腸の長さによっても異なります。成長過程にある小児期において短腸症候群を発症した場合は、成長障害を来すこともあります。また炭水化物や脂肪、タンパク質などの栄養源以外に、ビタミン類の欠乏が生じることもあります。例えばビタミンB12の吸収が阻害されているような場合は、巨赤芽球性貧血を発症することがありますし、鉄分が影響を受ける場合には鉄欠乏性貧血を続発します。また感染症にかかりやすくなったり、腎臓の結石ができやすくなったりもします。

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検査・診断

短腸症候群の多くは手術に関連して発症するため、手術中に残された消化管の長さを確認することから発症の予測をすることは可能です。残存している消化管の長さ以外にも、部位、粘膜の状態なども短腸症候群の予後を予測するのには重要になります。 どの程度残存しているかどうかが手術にて確認できない場合には、上部消化管造影検査が行われることもあります。

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治療

短腸症候群では、残存している腸の長さによって治療方法が異なってきます。腸がそれなりに残存しており、腸からの栄養吸収が期待できる場合には、食事摂取の方法や食事内容を工夫することで対応することになります。たとえば1日3回の食事摂取方法では、一回に腸が吸収しきれる以上の食物を摂取することになるため、さらに複数回に小分けにして食事を摂取することがあります。また食事内容として、糖分を控えめにしたり消化に悪いものを避けたりすることも大切です。さらに経腸栄養剤やビタミン剤、整腸剤や胃薬などの内服薬が併用されることもあります。腸管から充分量の栄養補給が期待できない場合には、点滴にて栄養を補う「静脈栄養法」が選択されることがあります。短期的にみれば、静脈栄養法は効果的な治療法といえます。ただし、長期にわたる静脈栄養管理は患者さんのQOL(生活の質)を低下させてしまうだけでなく、生命を左右しかねない合併症を引き起こすこともあります。早い段階で小腸移植が行えるよう、環境を整備することが理想的だと考えられています。

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