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くろーんびょう

クローン病

最終更新日
2020年08月18日
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2020/08/18
更新しました
2017/04/25
掲載しました。

概要

クローン病とは、小腸や大腸などの粘膜に慢性的な炎症を引き起こす病気のことです。“炎症性腸疾患”の1つとされ、現在のところはっきりした発症原因は分かっていません(2020年5月時点)。

日本では難病の1つに指定されており、発症率は10万人に27人程度とされています。また、男性のほうが女性より2倍程度発症しやすいことも特徴です。

クローン病は10~20歳代で発症するケースが多く、主に小腸や大腸に炎症が現れます。そのため、腹痛、血便(血が混ざった便)、下痢、体重減少などが代表的な症状となりますが、口の中から肛門(こうもん)までさまざまな部位に症状が現れる可能性があります。また、病変は1か所だけでなく、同時に複数の器官に炎症を伴う場合も少なくありません。

治療は、炎症や免疫のはたらきを抑える作用のある薬を用いた薬物療法が主体となりますが、腸の壁に穴が開いたり、腸がたび重なる炎症で狭窄(きょうさく)(狭くなること)を引き起こしたりするようなケースでは手術が必要となります。

原因

クローン病の原因は、現在のところはっきりとは解明されていません(2020年5月時点)。

しかし、白人など特定の人種や、特定の地域に住む人の発症率がほかと比べて高く、同じ家系内で発症者が出やすいことなどから、何らかの遺伝的な要因が関与しているとの説があります。

また、特定のウイルスや細菌感染を契機に発症するという説、特定の食材が腸の粘膜に異常な刺激を与えることで発症するという説、腸の血流が悪化することで発症するという説、免疫のはたらきが過剰になることで発症するという説なども挙げられているのが現状です。

なお、クローン病は動物性脂肪や、たんぱく質を多く摂取する人のほうが発症しやすいことが分かっており、近年の研究では食生活や腸内環境の状態も発症に関与していることが示唆されています。

症状

クローン病は口から肛門まで全ての消化器官に炎症を引き起こす可能性があるため、症状は人によって大きく異なります。

しかし、クローン病の多くは小腸や大腸に発症するため、小腸や大腸の粘膜が強いダメージを受けたり、粘膜の一部がえぐれるような潰瘍(かいよう)が形成されたりすることで腹痛、下痢、血便などの症状を引き起こします。また、小腸や大腸での栄養吸収能力も低下するため症状が長引く場合は体重減少などの症状を引き起こしたり、発熱、貧血、だるさといった全身症状が見られたりすることも少なくありません。さらに重症な場合には、腸の壁に穴が開いたり、腸の壁が厚くなって腸が狭窄したり、(うみ)の塊が形成されたりすることもあります。また、肛門部に痔瘻(じろう)をしばしば伴います。

そのほか、クローン病は関節炎や虹彩炎(目の炎症)、皮疹、口内炎などさまざまな症状を引き起こすことも知られています。

また、これらの症状はいったん改善しても再発を繰り返すことが多いのも、クローン病の特徴の1つです。

検査・診断

症状などからクローン病が疑われるときは次のような検査が行われます。

血液検査

クローン病では小腸や大腸などに炎症が生じ、病変部からはじわじわと出血が生じるため貧血が引き起こされます。そのため、クローン病が疑われるときは体内の炎症や貧血の程度などを調べるために血液検査を行うのが一般的です。

また、クローン病と似た症状を引き起こす大腸がんなどとの鑑別を行うために、腫瘍(しゅよう)マーカーの有無を調べることもあります。

便検査

クローン病では小腸や大腸に形成された潰瘍などから出血が生じます。血便が生じることが多いため、便潜血検査(便の中に血液が含まれているか調べる検査)を行うことがあります。

また、腹痛や下痢、血便といった症状は、腸管出血性大腸菌感染症をはじめとした感染性胃腸炎でも生じることがあるため、便の中に病原性を有する細菌が含まれていないかを調べる検査を行うこともあります。

画像検査

小腸や大腸などの状態を調べるために画像検査を行います。具体的にはX線検査(レントゲン検査)やCT検査などを行うこともありますが、大腸の内部を詳しく観察するために内視鏡検査を行うことが一般的です。また、クローン病の確定診断のためには内視鏡検査で病変部の一部を採取し、顕微鏡で組織の状態を詳しく調べる病理検査を行う必要があります。

そのほか、内視鏡検査で観察することができない小腸に病変があることが疑われるときは、カプセル型の内視鏡を用いることがあります。

治療

クローン病と診断された場合は、症状や重症度に合わせて次のような治療が行われます。

食事療法

小腸や大腸に発症している場合は、炎症が起きている部位の刺激を避けるため、絶食して点滴による栄養管理を行ったり、腸への刺激が少ない栄養剤を経口摂取したり、また鼻から腸管内に管を挿入して注入したりする治療が行われることがあります。炎症が落ち着いている場合は、バランスのよい食事を取るように心がけます。一般的に、腸への刺激を抑えるため脂肪分や食物繊維の少ない食事を取るなどの栄養指導が行われます。

薬物療法

強い症状が現れているときには、炎症や過剰な免疫作用を抑えるための5-アミノサリチル酸製薬、ステロイド、免疫調節剤・生物学的製剤などによる薬物療法が行われます。

また、クローン病は再発を繰り返すことが多いため、症状が改善しても再発を予防するために継続した薬物療法が必要となります。

手術

小腸や大腸の内部が狭くなる、腸の壁の穴が開く、膿の塊ができるといった合併症がある場合には、それらを改善するための手術が必要になります。炎症が強い部分は同時に切除することも少なくありません。

内視鏡治療

大腸の内部が狭くなって便通に支障をきたしており、年齢や全身状態などから手術をするのが難しい場合は、内視鏡を用いて狭窄した部位を広げる治療を行うことがあります。

予防

クローン病の明確な発症メカニズムは現在のところ解明されていません。そのため、発症を予防する方法はないのが現状です(2020年5月時点)。

一方で、クローン病は一度症状が改善しても、再発を繰り返しながら徐々に病状が悪化していくことが特徴です。再発を予防するためには正しい治療・食事指導を続けていくことが大切です。

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